漁村ぎょそん)” の例文
幾月いくつきかをすごうちに、てき監視みはりもだんだんうすらぎましたので、わたくし三崎みさきみなとからとおくもない、諸磯もろいそもう漁村ぎょそんほうてまいりましたが
それはいろんなところに——百姓家ひゃくしょうやや、おしろや、町や、農場のうじょうや、停車場ていしゃばや、漁村ぎょそんや、精糖工場せいとうこうじょうなどの上空にとまりました。
むかしは、このあたりは、繁華はんかまちがあって、いろいろのみせや、りっぱな建物たてものがありましたのですけれど、いまは、れて、さびしい漁村ぎょそんになっていました。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
よくねんには、横浜よこはま外国人がいこくじんがやってきて、ぼうえきをすることがゆるされました。これまでは、ちいさな漁村ぎょそんだったのですが、きゅうにいきいきとしたまちになりました。
しばらくののちわたしたちは、浪ばかり騒がしい海べから、寂しい漁村ぎょそんへはいりました。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
たしか走水はしりみずというところ浦賀うらが入江いりえからさまでとおくもない、うみやまとのったせま漁村ぎょそんで、そしてひめのおやしろは、そのむら小高こだかがけ半腹はんぷくって
くるったおきぬは、その、すこしおちついたけれど、もうこのむらにはようのないひととされて、やま一つした、あちらの漁村ぎょそん実家じっかかえってしまったそうです。
谷にうたう女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
漁村ぎょそんもあれば、りっぱな町もあるんだ。