渋茶しぶちや)” の例文
旧字:澁茶
いや、やみわすれまい。ぬまなかあてきやうませて、斎非時ときひじにとておよばぬが、渋茶しぶちやひと振舞ふるまはず、すんでのことわし生涯しやうがい坊主ばうず水車みづぐるまらうとした。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
焼山やけやまについてやすんだところで、渋茶しぶちやむのはさだめししわくたの……ういへば、みちさか一つ、ながれちかく、がけぶちの捨石すていしに、竹杖たけづゑを、ひよろ/\と、猫背ねこぜいて、よはひ、八十にもあまんなむ
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其上そのうへ、もうがたるみ、すぢゆるんで、歩行あるくのにあきよろこばねばならぬ人家じんかちかづいたのも、たかがよくされてくちくさばあさんに渋茶しぶちや振舞ふるまはれるのがせきやまと、さとるのもいやになつたから
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)