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渋茶
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しぶちや
いや、
暗の
夜を
忘れまい。
沼の
中へ
当の
無い
経読ませて、
斎非時にとて
及ばぬが、
渋茶一つ
振舞はず、
既での
事に
私は
生涯坊主の
水車に
成らうとした。
焼山について
休んだ
処で、
渋茶を
汲むのはさだめし
皺くたの……
然ういへば、
来る
道の
阪一つ、
流を
近く、
崖ぶちの
捨石に、
竹杖を、ひよろ/\と、
猫背へ
抽いて、
齢、八十にも
余んなむ
其上、もう
気がたるみ、
筋が
弛んで、
早や
歩行くのに
飽が
来て
喜ばねばならぬ
人家が
近いたのも、
高がよくされて
口の
臭い
婆さんに
渋茶を
振舞はれるのが
関の
山と、
里へ
入るのも
厭になつたから