波浪なみ)” の例文
噸數とんすう一千とんくらゐ二本にほん烟筒えんとつ二本にほんマストその下甲板げかんぱんには大砲たいほう小銃等せうじうとうめるにやあらん。いぶかしきまで船脚ふなあしふかしづんでえたそのふねが、いま闇黒あんこくなる波浪なみうへ朦朧ぼんやりみとめられたのである。
やが本艦ほんかん間際まぎはになつたが、うみ盤水ばんすいうごかすがごとく、二千七百とん巨艦きよかんゆらり/\とたかく、ひくく、端艇たんていあきのごとく波浪なみをどつて、とて左舷々梯さげんげんてい寄着よりつこと出來できない。
この軍艦ふね排水はいすい噸數とんすう二千七百ばかり、二本にほん烟筒ゑんとうきはめて壯麗さうれいなる裝甲巡洋艦さうかうじゆんやうかんである。いましも波浪なみまれて、此方こなたまはりしその艦尾かんびには、赫々かく/\たる日輪にちりんてらされて「日の出」の三あざやかにまれた。