)” の例文
……ところ千丈せんぢやうみねからくづれかゝる雪雪頽ゆきなだれしたたきゞるよりあぶなツかしいのに——度胸どきようでないと復興ふくこう覺束おぼつかない。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
幸いにきょうはこの方角の山で木をる人がないと見えて、坂道に立って時を過す安寿を見とがめるものもなかった。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
寺院にまゐるのは一年に三度だけである。そのほかで庵室から出るのは、木をる時と水を汲む時とに限つてゐる。
冬木立の中に木をりに這入はいって行って、或一つの樹に斧を打込むと、思いも設けぬいい香が鼻を打った。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
この辺の習慣では他人の山林へ這入つて木をつて来てもとがめないのである。柿の木などがあればその柿の実は誰でも勝手に落して食ふ。干柿などがあればその干柿を取つて来て食ふ。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
たきぎる鎌倉山の木垂こだる木をまつとが言はば恋ひつつやあらむ (同・三四三三)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
加賀 かねてより思ひしことよ伏柴ふししばの、るばかりなる嘆きせんとは。
能因法師 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
る人も無くこけし神の木 友五ゆうご
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
山に入り木をる翁
駱駝の瘤にまたがつて (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
ることを
たゞ山深やまふかしづが、もすれば、伐木ばつぼくこだまにあらぬ、あやしく、ゆかしくかすかに、ころりん、から/\、とたへなる楽器がくきかなづるがごときをく——其時そのときは、もりえだ
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)