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楯
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だて
ふりがな文庫
“
楯
(
だて
)” の例文
「そんなうしろ
楯
(
だて
)
があるのにこういうことになったとすると」津川はそう云いかけたが、そこでなにかを暗示するように笑った
赤ひげ診療譚:01 狂女の話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
役者はそちひとりじゃが、うしろ
楯
(
だて
)
にはこの兄がおる。京弥もついておる。それからここにお在での風変りなおじい様も控えておられる。
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
旗本の山田新右衛門、近習の島田左京、沢田
長門
(
ながと
)
など、四、五名は義元の身を、八方
楯
(
だて
)
のように囲んで、
幕
(
とばり
)
から次の幕へと、急を避けた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「相濟みません。でも、あの女には怖い後ろ
楯
(
だて
)
が附いて居ますし、——人の稼業の邪魔をしちや惡いと思ひましてね、へエ」
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「奥さんもよかったですね。北村さんのようなうしろ
楯
(
だて
)
ができて、かえってお
仕合
(
しあわ
)
せでしょう」
月と手袋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
しかし全国人民の後ろ
楯
(
だて
)
なしに、そんな力がかつぎ出せるものか、どうか。なるほど、不平のやりどころのない士族はそれで納まるかもしれないが、百姓や町人はどうなろう。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
こういう
大大名
(
おおだいみょう
)
のうしろ
楯
(
だて
)
を持っている彼らのかたき討よりも、無名の
匹夫
(
ひっぷ
)
匹婦
(
ひっぷ
)
のかたき討には
幾層倍
(
いくそうばい
)
の
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
が伴っていることと察しられるが、舞台の小さいものは伝わらない。
かたき討雑感
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
しかし知行の
多寡
(
たか
)
はもちろん、高家筆頭なぞという地位も表面の格式だけで、かつては百二十万石の雄藩、謙信入道の直系である東北の雄藩上杉と、九州の名門島津をうしろ
楯
(
だて
)
として
本所松坂町
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
そこで、梨の木を一本、後ろ
楯
(
だて
)
に取って、袋をかこい、
蟠
(
わだかま
)
った米友は、例の手練の杖槍を取って、淡路流に魚鱗の構えを見せるかと思うと、そうでなく、後ろにかこった金の袋の結び目へ手をかけて
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
小山は近づいてくる兵士達が、自分のうしろ
楯
(
だて
)
だと意識した。
武装せる市街
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
「いえこの私にこそ力強い後ろ
楯
(
だて
)
ができましてござります」
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「そんな馬鹿げた
後
(
うし
)
ろ
楯
(
だて
)
にはなりますまい。阿波は松平の
御姓
(
おんせい
)
を賜わり、
代々
(
よよ
)
、将軍のお名の一字をいただくほどな家筋じゃ」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
好い男の若旦那を
達引
(
たてひ
)
かうといふのが、男も女も事を缺かない筈。庄司家の
身上
(
しんしやう
)
が後ろ
楯
(
だて
)
になつて居るから、少しもとを入れても損のしつこはない
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
秋沢さまでもうしろ
楯
(
だて
)
になろうと仰しゃっておいでですわ、お姉さま、
途
(
みち
)
はすぐ前にひらけていますのよ、手を伸ばしてお
捉
(
つか
)
みになればいいのですわ
日本婦道記:風鈴
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
道場主番五郎のうしろ
楯
(
だて
)
にちょッと気になるお方がおいでのようでごぜえますゆえ、うっかり乗り込んで参りましたら、いかな早乙女の御前様でも事が面倒になりやしねえかと思うんでごぜえます
旗本退屈男:09 第九話 江戸に帰った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
加うるに会津のような勢力があって終始その後ろ
楯
(
だて
)
となっている。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
また、一致したと見せても、俺にはまちがえば別に他の後ろ
楯
(
だて
)
はあるぞ、という虚勢をその一致者へ
仄
(
ほの
)
めかしておく。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おめえたちが夫婦になるまで、どんな人間にもちょっかいを出させねえって、きざなようだが、おれたちは二人のうしろ
楯
(
だて
)
になったつもりでいたんだ」
源蔵ヶ原
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
いや、そち達に頼まれいでも、大公儀にとって
由々
(
ゆゆ
)
しい問題じゃ。必ずこの上ともに、輝高をうしろ
楯
(
だて
)
と思うがよい。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「一ノ関といううしろ
楯
(
だて
)
があってもですか」新左衛門はそう云って、きらっと眼を光らせた。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
本多侯がうしろ
楯
(
だて
)
になっていたし、松代藩のほうでもまた、躍起になって、戸狩の者をべんたつしていた。
銀河まつり
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この土地で護国寺の役僧がうしろ
楯
(
だて
)
になっていれば、それだけでも理が非に勝たない。
赤ひげ診療譚:07 おくめ殺し
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「ばかとは何だ。さては李家の伯父も、欲にかかって、いつのまにか、ぬすっとたちの後ろ
楯
(
だて
)
に廻ったな」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「けれどもそれは愛情でもなんでもありゃあしない、ごひいきと芸人のつきあいというだけなんです、貴女だっておよそ察しているだろうけれど、芸人はごひいきのうしろ
楯
(
だて
)
と、引立てがなければやってはゆけません」
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
其方の
後
(
うし
)
ろ
楯
(
だて
)
に助勢致させようかと、折入って仙石殿からのご好意、
聘
(
よ
)
び寄せたものであろうかどうじゃ
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
第一に、吾々たちに御当家という
後
(
うし
)
ろ
楯
(
だて
)
のあることを観破した者は、江戸方の隠密甲賀
世阿弥
(
よあみ
)
。これは、御本国
剣山
(
つるぎさん
)
の
山牢
(
やまろう
)
に、終身押しこめてありますゆえまず安心。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
楊修のうしろ
楯
(
だて
)
があったので長男の
曹丕
(
そうひ
)
よりは、何事にまれ
勝
(
すぐ
)
れて見えたが、やがて自分こそ、当然、太子たらんとしている曹丕は、心中大いに面白くなく、事ごとに楊修を父に
讒
(
ざん
)
していた。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“楯”の解説
『楯』は、倉橋ヨエコの三枚目のシングル。2005年11月30日にFlyingStar Recordsから発売された。
(出典:Wikipedia)
楯
漢検準1級
部首:⽊
13画
“楯”を含む語句
小楯
楯岡
絲楯
楯無
竹楯
円楯
大楯
川辺御楯
後楯
御楯
楯突
楯籠
糸楯
楯形
楯列
佩楯
背後楯
道島大楯
欄楯
死楯
...