トップ
>
柄糸
>
つかいと
ふりがな文庫
“
柄糸
(
つかいと
)” の例文
旧字:
柄絲
重い刀剣類を朝からいじくり廻したため、手の平のあぶらが
柄糸
(
つかいと
)
に吸い取られ、かさかさしているほど、目も疲れ込んでいた。
お小姓児太郎
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「拙者のは此通り此處にある。中身は
無銘
(
むめい
)
の相州物、
目貫
(
めぬき
)
は赤銅と金で
牡丹
(
ぼたん
)
、
柄糸
(
つかいと
)
は少し汚れたがそつくり其儘だらう」
銭形平次捕物控:173 若様の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
六角の
象嵌鍔
(
ぞうがんつば
)
に
藍
(
あい
)
よりの
柄糸
(
つかいと
)
、めぬきは四代
光乗
(
こうじょう
)
が作らしく、
観世水
(
かんぜみず
)
に
若鮎
(
わかあゆ
)
が
埋
(
う
)
めこまれ、柳しぼりの
鞘
(
さや
)
ごしらえ、なんともいえない品格がある。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さて帯びている大小であるが、
鞘
(
さや
)
は黒塗りで
柄糸
(
つかいと
)
は茶で、
鍔
(
つば
)
に
黄金
(
こがね
)
の
象眼
(
ぞうがん
)
でもあるのか、陽を受けて時々カッと光る。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
京で名高い
柄糸
(
つかいと
)
を売る鼠屋に紛らわして
栗鼠
(
りす
)
屋と名乗る店が出た事あり(宝永六年板『子孫大黒柱』四)。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
それから廿日正月までに、お
鞘
(
さや
)
の
塗
(
ぬり
)
から
柄糸
(
つかいと
)
を巻上げますのは間に合いますと、そこは酔っていても商売ゆえ、
後藤祐乘
(
ごとうゆうじょう
)
の作にて
縁頭
(
ふちがしら
)
に
赤銅斜子
(
しゃくどうなゝこ
)
に金の二
疋
(
ひき
)
のくるい獅子の一輪牡丹
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
手柄
(
てつか
)
の鮫のぽつぽつした表面や、
×
(
かけじるし
)
に結んだ
柄糸
(
つかいと
)
の強い紺の高まりなどを、よく父の顔を見ていると、なにかしら関聯されて思い浮ぶのであった。
幼年時代
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
でも大小は帯びていた。といって名ばかりの大小で、
柄糸
(
つかいと
)
はゆるくほぐれているし、鞘の塗りなどもはげていた。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その手とその胸との間には、汗くさい武者修行風呂敷と、
柄糸
(
つかいと
)
の腐っているような重い大小がかかえられている。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それはやくざ者などが好んで持つて歩く新刀物の
反
(
そり
)
のない長脇差で、
柄糸
(
つかいと
)
などは朱を塗つたやうに血に浸り、紫色に曇つた刀身などまことに物凄い限りです。
銭形平次捕物控:180 罠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
柄糸
(
つかいと
)
は
濃茶
(
こいちゃ
)
でございます、
鍔
(
つば
)
は伏見の
金家
(
かねいえ
)
の作で山水に
釣
(
つり
)
をして
居
(
お
)
る人物が出て居ります、鞘は
蝋色
(
ろいろ
)
でございまして、
小柄
(
こづか
)
は浪人中困りまして払いましたが、中身は彦四郎貞宗でございます
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
うろたえているお芳へ、
頤
(
あご
)
を横に振って、幾たびも刀の
柄糸
(
つかいと
)
をしめしたが、だんだん胸の鼓動を感じていた。
銀河まつり
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……ほぐれぬように
柄糸
(
つかいと
)
を巻き、刀のさびを落として置け。……二十挺の種ヶ島の筒口に、湿りをつけてはならないぞ。……鞍からあぶみからくつわまで、手落ちがあったら承知しねえ。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
蟠「
柄糸
(
つかいと
)
も悪くもない、
鍔
(
つば
)
は
金家
(
かねいえ
)
だ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ことに、その刀もただの
研
(
とぎ
)
ではなく、
潮水浸
(
しおびた
)
しになったのを、
鞘
(
さや
)
、
柄糸
(
つかいと
)
、
拭上
(
ぬぐいあ
)
げまですっかり手入れをしなおしたもので、宗理の手もとでも五十日ほどかかったという話。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
刀の
柄糸
(
つかいと
)
の
縺
(
ほつ
)
れを見つけて、それを気にしてつくろいだすと、いじればいじるほど解けて来て、果ては、しまつが悪くなったので、糸切歯をあててプツンとかみましたが
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
枕元には、白茶の
柄糸
(
つかいと
)
に
赤銅
(
しゃくどう
)
ごしらえという
柳鞘
(
やなぎざや
)
の
了戒
(
りょうかい
)
一刀と、同じ作りで吉光の差し
添
(
ぞえ
)
。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
刀の
柄糸
(
つかいと
)
を
捻
(
よじ
)
りぎみに、
右手
(
めて
)
は深く
左手
(
ゆんで
)
は浅く、
刀背
(
みね
)
に
蛇眼
(
だがん
)
をすえて寄る
平入身
(
ひらいりみ
)
——。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ウム!」と
据物斬
(
すえものぎ
)
りの腰、息を含んで、右手は固く、刀の
柄糸
(
つかいと
)
へ食い込んだ。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と考えた一角は、ヒラリと山門の外に身を寄せて、刀の
柄糸
(
つかいと
)
へしめりをくれた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
次第に近づいてくる竹の
音
(
ね
)
は、一味冷徹な鬼気を流してきて、そこに、
鍔
(
つば
)
ぶるいをひそめる者、
柄糸
(
つかいと
)
へ唇をつける者などの血汐をいよいよ
惣毛立
(
そうけだ
)
たせ、いよいよ
猛
(
たけ
)
くジリジリと
沸
(
わ
)
き騒がせる。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
柄糸
(
つかいと
)
まで血によごれたものを武蔵に示して
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
柄
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
糸
常用漢字
小1
部首:⽷
6画
“柄”で始まる語句
柄
柄杓
柄頭
柄手
柄袋
柄前
柄元
柄漏
柄香炉
柄付眼鏡