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挺身
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ていしん
ふりがな文庫
“
挺身
(
ていしん
)” の例文
これは、この塾が地域共同社会の理想化に
挺身
(
ていしん
)
する
中堅
(
ちゅうけん
)
人物の養成ということにその主目標をおいていた自然の結果だったのである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
彼のような
無頼者
(
ならずもの
)
のおやじでも、その子が危難へ向って
挺身
(
ていしん
)
してゆくのを見ると、狂気のような声を出さずにはいられない。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日頃愛用していたライカアやレコオドを残らず
叩
(
たた
)
き
壊
(
こわ
)
し、
潔
(
いさぎよ
)
く征途に上ったものだったが、一ト月の後にはノモンハンで
挺身
(
ていしん
)
奮闘して
斃
(
たお
)
れてしまった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
しかしアンジョーラとマリユスと七、八人の者は、彼らのまわりに列を作り、
挺身
(
ていしん
)
して彼らを保護していた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
手足
(
てあし
)
をぴち/\と
撥
(
は
)
ねる、
二歳
(
ふたつ
)
ぐらゐの
男
(
をとこ
)
の
兒
(
こ
)
を、
筋鐵
(
すぢがね
)
の
入
(
はひ
)
つた
左
(
ひだり
)
の
腕
(
うで
)
に、
脇
(
わき
)
へ
挾
(
はさ
)
んで、やんはりと
抱
(
だ
)
いた
處
(
ところ
)
は、
挺身
(
ていしん
)
倒
(
さかさま
)
に
淵
(
ふち
)
を
探
(
さぐ
)
つて
鰌
(
どぢやう
)
を
生捉
(
いけど
)
つた
體
(
てい
)
と
見
(
み
)
える。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
大隅学士は勇敢にも、
挺身
(
ていしん
)
して本館に向った。岩蔵は愕いて、学士を呼びかえすために両手をさしのばしたが、何と思ったものか、そのまま手を引込めてしまった。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
先ごろ浅草の本願寺だかで浮浪者の救護に
挺身
(
ていしん
)
し、浮浪者の敬慕を一身にあつめて救護所の所長におされていた学生が
発疹
(
はっしん
)
チフスのために殉職したという話をきいた。
特攻隊に捧ぐ
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
思えば思うほどひとり壁立
万仭
(
ばんじん
)
の高さに
挺身
(
ていしん
)
して行こうとする娘の
健気
(
けなげ
)
な姿が空中でまぼろしと浮び、娘の
足掻
(
あが
)
く裳からはうら哀しい
雫
(
しずく
)
が翁の胸に
滴
(
したた
)
って翁を苦しめた。
富士
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
一時は慷堂の先輩格として支那革命に
挺身
(
ていしん
)
した悲堂も、のちには一介の支那メシ屋と化した。それを風化現象のように考えていたことが、悲堂を思い出させなかったにちがいない。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
やはり坊津の、山の上にある
挺身
(
ていしん
)
監視隊長、谷中尉と言った。背が低い、がっしりした、眼の大きい男である。二十三四歳に見えた。先日、博多が
空襲
(
くうしゅう
)
にあった際、博多武官府にいたと言う。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
心ある者
宜
(
よろ
)
しく
挺身
(
ていしん
)
肉迫して
叱咤
(
しつた
)
督励
(
とくれい
)
する所なかるべからず候。
渋民村より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
大海人皇子はすすんで難に
挺身
(
ていしん
)
されたのである。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
人見の犠牲的な
挺身
(
ていしん
)
も悲壮ではありますが、拙者はあくまで、老公のご意志を尊重してまいりたいのです。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
キューポラは爆発して
熔鉄
(
ようてつ
)
が五百
米
(
メートル
)
四方にとび散ったということです。この暴動の群衆の中に、奇怪なる
人造人間
(
ロボット
)
が多数
交
(
まじ
)
っていて、いずれも
挺身
(
ていしん
)
、
破壊
(
はかい
)
に従事したということです。次に命令です。
人造人間殺害事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、異様な声を発して、明智方から
挺身
(
ていしん
)
して来る
巨漢
(
おおおとこ
)
がある。見るまに、彼の重そうな強槍は、中川隊の士を四、五名突ッかけて、左右に
刎
(
は
)
ねとばし、なお此方へ
奮迅
(
ふんじん
)
して来た。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“挺身”の意味
《名詞》
挺身(ていしん)
みずからが人に先んじて進むこと。身を挺して事にあたること。
(出典:Wiktionary)
挺
漢検準1級
部首:⼿
10画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“挺身”で始まる語句
挺身隊