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怯
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おど
ふりがな文庫
“
怯
(
おど
)” の例文
一体、外套氏が、この際、いまの鹿落の白い手を言出したのは、決して怪談がかりに娘を
怯
(
おど
)
かすつもりのものではなかった。
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……つい
此
(
こ
)
の
間
(
あひだ
)
、
弴
(
とん
)
さんに
逢
(
あ
)
つて、
其
(
そ
)
の
話
(
はなし
)
が
出
(
で
)
ると、
十圓
(
じふゑん
)
と
怯
(
おど
)
かすより
九九九
(
くうくうくう
)
と
言
(
い
)
ふ
方
(
はう
)
が、
音〆
(
ねじめ
)
……は
粹
(
いき
)
過
(
す
)
ぎる……
耳觸
(
みゝざは
)
りが
柔
(
やはら
)
かで
安易
(
あんい
)
で
可
(
よ
)
い。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
やつと
二歳
(
ふたつ
)
に
成
(
な
)
る
嬰兒
(
あかんぼ
)
だが、だゞを
捏
(
こ
)
ねて
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
肯
(
き
)
かないと、それ
地震
(
ぢしん
)
が
來
(
く
)
るぞと
親
(
おや
)
たちが
怯
(
おど
)
すと
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
アハハハと笑って、陽気に
怯
(
おど
)
かす……その、その辺を女が通ると、ひとりでに
押孕
(
おっぱら
)
む……
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「貧乏神が抜け出す
前兆
(
しらせ
)
か、恐しく
怯
(
おど
)
されるの、しっかりさっししっかりさっし。」
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
誰か趣向をしたんだね、……もっとも、
昨夜
(
ゆうべ
)
の会は、最初から百物語に、白装束や
打散
(
ぶっち
)
らし
髪
(
がみ
)
で人を
怯
(
おど
)
かすのは大人気無い、
素
(
す
)
にしよう。——それで、
電燈
(
でんき
)
だって消さないつもりでいたんだから。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ただ
怯
(
おど
)
かしばかりでもなさそうな、秘密と、奇異と、第一、人気のまるでないその祠に、入口に
懸
(
かか
)
った
薙刀
(
なぎなた
)
を思うと、掛釘が
錆朽
(
さびく
)
ちていまいものでもなし、控えの綱など断切れていないと限らない。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
思出
(
おもいだ
)
しても気味の悪い処ですから、耳は、
尖
(
とが
)
り、目は、たてに裂けたり、というのが、じろりと
視
(
み
)
て、穂坂の
矮小僧
(
ちびこぞう
)
、
些
(
ち
)
と
怯
(
おど
)
かして
遣
(
や
)
ろう、でもって、魚市の辻から、ぐるりと
引戻
(
ひきもど
)
されたろうと
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いいえさ、
怯
(
おど
)
かすんじゃあない。そこで、いきなり開いたんだと、余計驚いたろうが——開いていたんだよ。ただし、開いていた、その黒い戸の、裏桟に、白いものが
一条
(
ひとすじ
)
、うねうねと
伝
(
つたわ
)
っている。」
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
怯
漢検準1級
部首:⼼
8画
“怯”を含む語句
卑怯
卑怯者
怯気
怯々
怯懦
気怯
物怯
勇怯
怯者
聞怯
御卑怯
怯勇
怯々然
心怯
氣怯
卑怯至極
悪怯
怯弱
怯気々々
怯惰
...