心身しんしん)” の例文
かり着替きかへぬれ着類きるゐ竿さをに掛け再び圍爐裡ゐろりはたへ來りてあたれば二日二夜のくるしみに心身しんしんともつかれし上今十分に食事しよくじを成して火にあたゝまりし事なれば自然しぜん眠氣ねふけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかし心身しんしんの疲労はひどく、火のそばへは寄ったものの、誰も立っていられる者はなかった。そのまま、そのところに彼らは泥のような睡りに落ちていったのだ。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
これから二ねん九ヶげつあひだ大佐等たいさらはかのおどろ海底戰鬪艇かいていせんとうてい工作こうさく着手ちやくしゆしてあひだわたくし心身しんしんめて從事じうじしたら、んの出來できことがあらう。やるやる見事みごとにやつてせる。
なにより肝要だいじなのは斎戒沐浴さいかいもくよく……つまり心身しんしんきよめる仕事しごとでございます。もちろんわたくしどもには肉体にくたいはないのでございますから、人間にんげんのように実地じっちみずなどをかぶりはいたしませぬ。
ふたたび三たび、浮いてはしずみ、浮いては沈みするうちに、さすがの竹童もきょくどに心身しんしんをつからして、蛾次郎に足を引かれたまま、ブクブクと深みへ重くしずんでしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たとへ偶然ぐうぜんとはいへ、このはなじま漂着へうちやくして、大佐たいさいへみ、大佐たいさをはじめ武村兵曹たけむらへいそう其他そのほか水兵等すいへいら一方ひとかたならず世話せわになつては、彼等かれら毎日まいにち/\その職務しよくむのために心身しんしんくだいてるのを