川筋かはすぢ)” の例文
おなじやうに吹通ふきとほしの、うらは、川筋かはすぢひとむかうに、夜中よなか尾長猿をながざるが、キツキとき、カラ/\カラと安達あだちはら鳴子なるこのやうな、黄金蛇こがねへびこゑがする。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
本所ほんじよ竪川たてかは深川ふかがは小名木川辺をなぎかはへん川筋かはすぢには荷足船にたりぶねで人を渡す小さな渡場わたしば幾個所いくかしよもある。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
大火災だいかさいのときは、地震ぢしんとは無關係むかんけいに、旋風せんぷうおこちである。火先ひさきなかくぼ正面しようめんもつ前進ぜんしんするとき、そのまがかどには塵旋風ちりせんぷうづくべきものがおこる。また川筋かはすぢせつした廣場ひろば移動旋風いどうせんぷうによつておそはれやすい。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
あひだ中之橋なかのはしがあつて、ひとうへに、上之橋かみのはしながれるのが仙臺堀川せんだいぼりがはぢやあありませんか。……ことわつてきますが、その川筋かはすぢ松永橋まつながばし相生橋あひおひばし海邊橋うみべばし段々だん/\かゝつてゐます。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あさ一番いちばんなんぞは、汽船きせん屋根やねまで、眞黒まつくろひとまつて、川筋かはすぢ次第しだいくだると、した大富橋おほとみばし新高橋しんたかばしには、欄干外らんかんそとから、あしちうに、みづうへへぶらさがつてつてゐて、それ
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大分だいぶ以前いぜんには以前いぜんだが……やつぱり今頃いまごろ時候じこう川筋かはすぢをぶらついたことがある。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)