川楊かはやなぎ)” の例文
ほりあめあとみづあつめてさら/\ときしひたしてく。あをしげつてかたむいて川楊かはやなぎえだが一つみづについて、ながちからかるうごかされてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その作りやうはみづ木といふ木、あるひは川楊かはやなぎえだをとり、これに餅を三角又は梅桜の花形に切たるをかの枝にさし、あるひは団子をもまじふ、これを蚕玉まゆたまといふ。
未だ宵ながら月は高く澄んでえた光を野にも山にも漲ぎらし、野末にはもやかゝりて夢の如く、林は煙をこめて浮ぶが如く、背の低い川楊かはやなぎの葉末に置く露は珠のやうに輝いて居る。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
川楊かはやなぎが押し流されて、河原へ仆れてゐる……くずの二ツ葉の細い蔓が、大石の上を捲いて、一端が川に垂れかゝつて、又反曲して空を握まうとしてゐる……崖の庇石には、ツツジが生えてゐる
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
「どうしたんでえ、よきは」おつぎはるとはりむかふきしからひく川楊かはやなぎえだまつはつていとはしみづについて下流かりういてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その作りやうはみづ木といふ木、あるひは川楊かはやなぎえだをとり、これに餅を三角又は梅桜の花形に切たるをかの枝にさし、あるひは団子をもまじふ、これを蚕玉まゆたまといふ。
たとへれば彼等かれらせばいとはいひながらはねてはせぬほりへだてゝ、かも繁茂はんもした野茨のばら川楊かはやなぎぼつしつゝをんなやはらかいらうとするのである。れは到底たうていあひれることさへ不可能ふかのうである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)