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山王
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さんのう
ふりがな文庫
“
山王
(
さんのう
)” の例文
それから
溜池橋
(
ためいけばし
)
を渡るともう日が暮れて、十五夜でしょう、まん丸な月が出て、それから
山王
(
さんのう
)
のあの坂を上がるとちょうど
桜花
(
さくら
)
の盛りで
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
二十四五歳かとも見える若い侍が
麹町
(
こうじまち
)
の
山王
(
さんのう
)
の社頭の石段に立って、自分の頭の上に落ちかかって来るような花の雲を仰いだ。
番町皿屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
老樹鬱蒼として
生茂
(
おいしげ
)
る
山王
(
さんのう
)
の
勝地
(
しょうち
)
は、その
翠緑
(
すいりょく
)
を反映せしむべき麓の溜池あって初めて完全なる山水の妙趣を示すのである。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
生れて間もない私が
竜門
(
りゅうもん
)
の鯉を染め出した
縮緬
(
ちりめん
)
の
初着
(
うぶぎ
)
につつまれ、まだ若々しい母の腕に抱かれて
山王
(
さんのう
)
の
祠
(
やしろ
)
の石段を登っているところがあるかと思うと
厄年と etc.
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
第十二号機は、
大森
(
おおもり
)
の
山王
(
さんのう
)
の森へうち落された。第九号機は東京湾の波のもくずと消えてしまった。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
▼ もっと見る
山王
(
さんのう
)
わきの日光修営奉行所の奥の奥、壁の厚い一間に、三人の人影が
黙然
(
もくねん
)
と腕をこまぬいている。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
同夜、大塔ノ宮は、
日吉
(
ひえ
)
山王
(
さんのう
)
の八王子に
床几
(
しょうぎ
)
をすすめ、弟宮の座主宗良も、同所に陣座して
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
羽後
(
うご
)
の
男鹿
(
おが
)
半島では、北浦の
山王
(
さんのう
)
様の神主竹内丹後の家に、先祖七代までの間、代々片目であったという伝説が残っています。この家の元祖竹内弥五郎は
弓箭
(
ゆみや
)
の達人でありました。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そこの芸者、いけねえよ、その
刷毛先
(
はけさき
)
をパラッと……こういう
塩梅式
(
あんべいしき
)
に、鬼門をよけてパラッと散らして……そうだ、そう行って
山王
(
さんのう
)
のお猿様が……と来なくっちゃ江戸前でねえ。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
是れでお瀧は茂之助へ
面当
(
つらあて
)
ヶ
間
(
ま
)
しく、わざとつい一里と隔たぬ
猿田村
(
やえんだむら
)
の
取附
(
とりつ
)
きに
山王
(
さんのう
)
さまの森が有ります、其の鎮守の
正面
(
むこう
)
に空家が有りましたからこれを借り、
葮簀張
(
よしずばり
)
の
掛茶店
(
かけぢゃや
)
を出し
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
明治十六年の夏、
山王
(
さんのう
)
——麹町
日枝
(
ひえ
)
神社の大祭のおりのことであった。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
丘の隅にゃ、荒れたが、それ
山王
(
さんのう
)
の
社
(
やしろ
)
がある。
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
山王
(
さんのう
)
の森などをあるきまわるのが常であった。
へちまの木
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
これでも
勇
(
いさ
)
みの
山王
(
さんのう
)
の
氏子
(
うぢこ
)
だ。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
信州では
雨宮
(
あめみや
)
の
山王
(
さんのう
)
様と、
屋代
(
やしろ
)
の山王様と同じ三月
申
(
さる
)
の日の申の刻に、村の境の橋の上に二つの
神輿
(
みこし
)
が集って、共同の神事がありました。その橋の名を浜名の橋といっております。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
裏窓から西北の
方
(
かた
)
に
山王
(
さんのう
)
と
氷川
(
ひかわ
)
の森が見えるので、冬の
中
(
うち
)
西北の富士おろしが吹きつづくと、崖の竹藪や庭の
樹
(
き
)
が物すごく騒ぎ立てる。窓の戸のみならず家屋を揺り動すこともある。
鐘の声
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
江戸以来の三大祭りといえば、麹町の
山王
(
さんのう
)
、神田の
明神
(
みょうじん
)
、
深川
(
ふかがわ
)
の八幡として、ほとんど日本国じゅうに知られていたのであるが、その祭礼はむかしの姿をとどめないほどに衰えてしまった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
お顔の赤い
山王
(
さんのう
)
のお猿さん……。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
山王
(
さんのう
)
の
祭
(
まつり
)
だ、
子供
(
こども
)
の
祭
(
まつり
)
だ。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
王
常用漢字
小1
部首:⽟
4画
“山王”で始まる語句
山王下
山王樣
山王台
山王社
山王祭
山王山
山王様
山王帽子
山王旅所
山王大権現