トップ
>
山椒
>
さんしょ
ふりがな文庫
“
山椒
(
さんしょ
)” の例文
「いき」な味とは、味覚の上に、例えば「きのめ」や
柚
(
ゆず
)
の嗅覚や、
山椒
(
さんしょ
)
や
山葵
(
わさび
)
の触覚のようなものの加わった、
刺戟
(
しげき
)
の強い、複雑なものである。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
「おどろき桃の木
山椒
(
さんしょ
)
の木だろう。しかもお蔦ばかりじゃねえ。お蔦といっしょにいる手枕舎里好とかいう狂歌の先生もしょっ引いてくるんだ」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「まま
一献
(
いっこん
)
まいれ。狐坊主、
昆布
(
こぶ
)
と
山椒
(
さんしょ
)
で、へたの茶の真似はしまするが、お酌の方は
一向
(
いっこう
)
なものじゃが、お一つ。」
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
藤屋という酒屋を探しあてて、表から店口を覗いてみると、小皿の
山椒
(
さんしょ
)
をつまみながら桝酒を旨そうに引っかけている一人の若い中間風の男があった。
半七捕物帳:11 朝顔屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「図体が大きいばかりじゃあ、なんにもならん。小そうても
山椒
(
さんしょ
)
はピリッと辛い。正義には、勝てるもんか」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
▼ もっと見る
わが庭広からず然れども
屋後
(
おくご
)
なほ数歩の
菜圃
(
さいほ
)
を
余
(
あま
)
さしむ。
款冬
(
ふき
)
、
芹
(
せり
)
、
蓼
(
たで
)
、
葱
(
ねぎ
)
、
苺
(
いちご
)
、
薑荷
(
しょうが
)
、
独活
(
うど
)
、芋、百合、
紫蘇
(
しそ
)
、
山椒
(
さんしょ
)
、
枸杞
(
くこ
)
の
類
(
たぐい
)
時に従つて皆
厨房
(
ちゅうぼう
)
の
料
(
りょう
)
となすに足る。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
この静かな夫婦は、安之助の神戸から
土産
(
みやげ
)
に買って来たと云う
養老昆布
(
ようろうこぶ
)
の
缶
(
かん
)
をがらがら振って、中から
山椒
(
さんしょ
)
入
(
い
)
りの小さく結んだ奴を
撰
(
よ
)
り出しながら、
緩
(
ゆっ
)
くり佐伯からの返事を語り合った。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは魚の毒もみにつかう
山椒
(
さんしょ
)
の粉で、それを使うと
発破
(
はっぱ
)
と同じように巡査に押えられるのでした。ところが佐太郎はそれを岩穴の横の
萱
(
かや
)
の中へかくして、知らない顔をして運動場へ帰りました。
風の又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
せめてスカンポか
茅花
(
つばな
)
でも無いかと思っても見当らず、
茗荷
(
みょうが
)
ぐらいは有りそうなものと思ってもそれも無し、
山椒
(
さんしょ
)
でも有ったら
木
(
こ
)
の
芽
(
め
)
だけでもよいがと、
苦
(
くるし
)
みながら
四方
(
あたり
)
を
見廻
(
みまわ
)
しても何も無かった。
野道
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「もう
山椒
(
さんしょ
)
の芽が摘めるかねえ。王滝じゃまだ梅だったがねえ。」
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
金「お誂えが出来ました、あゝ
山椒
(
さんしょ
)
の袋を忘れた」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ひかなきゃ
山椒
(
さんしょ
)
の
粒
(
つぶ
)
ふりかける。
まざあ・ぐうす
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
魚屋かしらと思ってよく見ると、その盤台の底には少しばかり水を入れて、うすぐろいような不気味な動物が押し合って、うずくまっていた。それは
山椒
(
さんしょ
)
の
魚
(
うお
)
であった。
山椒魚
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ややともすれば
強請
(
ゆすり
)
がましい
凄味
(
すごみ
)
な態度を示すに引き比べて昔ながらの
脚半
(
きゃはん
)
草鞋
(
わらじ
)
に
菅笠
(
すげがさ
)
をかぶり
孫太郎虫
(
まごたろうむし
)
や
水蝋
(
いぼた
)
の
虫
(
むし
)
箱根山
(
はこねやま
)
山椒
(
さんしょ
)
の
魚
(
うお
)
、または
越中富山
(
えっちゅうとやま
)
の
千金丹
(
せんきんたん
)
と呼ぶ声。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「こうもり、こうもり、
山椒
(
さんしょ
)
食わしょ。」
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“山椒(サンショウ)”の解説
サンショウ(山椒、学名: Zanthoxylum piperitum)は、ミカン科サンショウ属の落葉低木である。別名はハジカミ。山地の雑木林などに自生し、和食料理に添えられる若葉は食材として木の芽とも呼ばれる。雄株と雌株が別々であり、春に葉のわきに黄緑色の花を咲かせ、雌株のみ実をつける。葉と雄花、球果に独特な香りを有し、香辛料として使われる。
(出典:Wikipedia)
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
椒
漢検1級
部首:⽊
12画
“山椒”で始まる語句
山椒魚
山椒喰
山椒大夫
山椒皮
山椒味噌
山椒太夫
山椒昆布