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小間使
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こまづかい
ふりがな文庫
“
小間使
(
こまづかい
)” の例文
もっとも有福者は花嫁の家から一生使うべき
小間使
(
こまづかい
)
を添えて来るのが大抵通常である。これで全く結婚の事が終ったというのじゃない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
ベッキイはすっかり
小間使
(
こまづかい
)
になりすまして、いそいそ若い御主人に従い、膝掛や手提を持って、馬車の
処
(
ところ
)
まで見送りに出て来たのでした。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
牧は寛政二年
生
(
うまれ
)
で、
初
(
はじめ
)
五百の祖母が
小間使
(
こまづかい
)
に雇った女である。それが享和三年に十四歳で五百の父忠兵衛の妾になった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
或るお屋敷で、主人公が
小間使
(
こまづかい
)
をさがしているのです。
尤
(
もっと
)
も、前にいた小間使の娘さんは、僕が買収して、親の病気だと申立てて
辞
(
や
)
めさせたんです。
什器破壊業事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
小女は浅草清島町という所の
細民
(
さいみん
)
の娘なり。形は小さなれど年は十五にて
怜悧
(
れいり
)
なり。かの事ありしのち、この家へ
小間使
(
こまづかい
)
というものに来りしとなり。
良夜
(新字新仮名)
/
饗庭篁村
(著)
▼ もっと見る
小間使
(
こまづかい
)
とは枕頭につき切りですし、
角田
(
つのだ
)
という総支配人の老人や、親族達はひっ切りなしに様子を見にやって来ます。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
明けて入るのを、
小間使
(
こまづかい
)
が、あれといって、手を突く間もなく、一人が
背後
(
うしろ
)
からぴッたり閉めた。雨戸は
半開
(
はんびらき
)
のまま、朝がけの
軍
(
いくさ
)
に
狼狽
(
うろた
)
えたような形。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
入口の処に
小間使
(
こまづかい
)
風の
壮
(
わか
)
い女が用ありそうに立っていた。山西はまた怪しい
小女
(
こむすめ
)
ではないかと思って好く見たが、それは十八九に見える
円顔
(
まるがお
)
の女であった。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
これと共に美育社は青年小説叢書と題してまづ生田葵山の小説『自由結婚』次に余の拙著『野心』西村渚山の『
小間使
(
こまづかい
)
』黒田湖山の『大学攻撃』等を出版し
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
酔って云うのではないが
表向
(
おもてむき
)
、ま手前は
小間使
(
こまづかい
)
の奉公に来た時から、器量と云い、物の云い
様
(
よう
)
裾捌
(
すそさば
)
き、
他々
(
ほか/\
)
の奉公人と違い、自然に備わる
品
(
ひん
)
というものは別だ、実に物堅い屋敷にいながら
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
床の間の花をむしったり罪もない梅(専ら光子に
侍
(
かしず
)
いている
小間使
(
こまづかい
)
の名)
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
良人
(
おっと
)
沼南と同伴でない時はイツデモ
小間使
(
こまづかい
)
をお
伴
(
とも
)
につれていたが、その頃流行した
前髪
(
まえがみ
)
を切って
前額
(
ひたい
)
に
垂
(
た
)
らした
束髪
(
そくはつ
)
で、
嬌態
(
しな
)
を作って桃色の小さいハンケチを
揮
(
ふ
)
り揮り香水の
香
(
にお
)
いを
四辺
(
あたり
)
に
薫
(
くん
)
じていた。
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
かくて漁師の娘とはなりぬれど、弱き身には舟の
櫂
(
かじ
)
取ることもかなはず、レオニのあたりに、富める
英吉利人
(
イギリスびと
)
の住めるに
雇
(
やと
)
はれて、
小間使
(
こまづかい
)
になりぬ。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
と、
小間使
(
こまづかい
)
を呼んだが、返事がないので、じれて来て、窓へ
掻
(
か
)
きあがろうとしたが、あがれない
雨夜草紙
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
やがて、友達の様に懐しんでいた美子姫の惨死に、悲歎の余り目を泣きはらした、
小間使
(
こまづかい
)
の小雪が這入って来た。美しい顔が涙に洗われて、異様な魅力をたたえている。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
前のは御自分ものであろうが、
扱帯
(
しごき
)
の先生は、酒の上で、
小間使
(
こまづかい
)
のを
分捕
(
ぶんどり
)
の次第らしい。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女小姓は茶、
烟草
(
タバコ
)
、
手水
(
ちょうず
)
などの用を弁ずるもので、今いう
小間使
(
こまづかい
)
である。中臈は奥方附であると、奥方の身辺に奉仕して、種々の用事を弁ずるものである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
お弟子兼
小間使
(
こまづかい
)
の少女が、不審を起して、寝室へ入って見ると、ベッドはもぬけの
殻
(
から
)
であった。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
召使、
小間使
(
こまづかい
)
二人、
下
(
しも
)
女中二人、書生、自動車運転手、助手
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
使
常用漢字
小3
部首:⼈
8画
“小間”で始まる語句
小間
小間物
小間物屋
小間絵
小間癪
小間物店
小間木
小間物屋與兵衞
小間切
小間囲