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ふりがな文庫
“
小童
(
こわっぱ
)” の例文
寄場はおろか、橋の下、お堂の下をはいくぐっても、その
小童
(
こわっぱ
)
をさがしだし、あいつに鼻をあかしてやらなけりゃアおさまらねえのだ
顎十郎捕物帳:10 野伏大名
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「討て、
小童
(
こわっぱ
)
、探し出して討て! が俺は逃げて逃げて、決して汝には討たれてやらぬ。……こう決心して逃げ廻る心、快いぞ快いぞ」
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
(
小童
(
こわっぱ
)
め、おれ様の計画を
嗅
(
か
)
ぎつけたからには、もう生かしておけぬぞ。小童の癖に、おれ様の仕事の邪魔をする御礼をするぞ。うーむ)
地中魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いわんや年もゆかぬ
小童
(
こわっぱ
)
、見も知らぬ推参者にかかる無礼を加えられては、死んでも弱い
音
(
ね
)
は吹けないのが神尾としての
身上
(
しんじょう
)
であります。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
あたかも聖書の戦馬が「ヴァー!」とうなるように、彼らは「前へ!」と叫ぶ、そしてたちまちのうちに
小童
(
こわっぱ
)
から巨人となる。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
▼ もっと見る
小姓共の方は、
咄嗟
(
とっさ
)
に主人の殺されたのを見、而も殺した人間が自分たちと餘り違わない
小童
(
こわっぱ
)
であることを知って、明かに度を失っていた。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
だが卜斎は、その
背
(
せ
)
かっこうの
似
(
に
)
ているところから、これこそ、奥へ逃げこんだ
小童
(
こわっぱ
)
であろうと、
拳
(
こぶし
)
をかためてなぐりつけた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「何をあの
小童
(
こわっぱ
)
めが、多少、心強い奴と申しても、何程の事があろうか? 片脇にはさんで、海に入れてやろう」
現代語訳 平家物語:11 第十一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
身分たかき家柄とはいえ、あまりと申せば
小童
(
こわっぱ
)
めが、家柄を鼻にかけて増長しおるからじゃ。いわば小童が、みずからまねいた自業自得というべきところなのじゃ。
亡霊怪猫屋敷
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「いや、よし、分った。近所の
小童
(
こわっぱ
)
たちじゃ。だれが教えたか、つまらぬ唄を唄って、悪たれどもがわいわい向うへ逃げて行くわ。仕方のない奴等じゃ。——さあ馬じゃ」
山県有朋の靴
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
坐睡
(
いねむり
)
をせぬまでも、十三歳やそこらの
小童
(
こわっぱ
)
だから、眼の皮をたるませて退屈しきって居るべき筈だのに、耳を傾け魂を入れて聞いて居た様子は、少くとも信長や自分の談論が解って
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
桃太郎風情の
小童
(
こわっぱ
)
十人二十人、
虱
(
しらみ
)
を
拈
(
ひね
)
るよりなお易きに
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「
小童
(
こわっぱ
)
——小童がっ」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
「あれ、あの丘の
裾
(
すそ
)
に、うずくまっている
小童
(
こわっぱ
)
があろう。——怪しげなことをしておるぞ。何をしてるのか、すぐ見てこい」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
袴広太郎とかいう
小童
(
こわっぱ
)
に、
搦
(
かす
)
め取られたお前ではないか、もしその筋へ突き出されてみろ。島原の残党キリシタンとして、
否応
(
いやおう
)
なしに火あぶりだ。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
玉屋の前は真黒に人がたかって、そうして口々に、さいぜんの
小童
(
こわっぱ
)
の強かったことの評判です。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これがお前に
媚
(
こ
)
びて、もっともっと踊れ! と言ってるわけなのだ! 御苦労! 御苦労! これでやっと第一期の研究も終わりだ! アランの
小童
(
こわっぱ
)
なぞが何と言おうと
令嬢エミーラの日記
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
草むらの中へ、首を突っこみながら、彼女は
喚
(
おめ
)
いた。頭を土にぶつけても、彼女の頭のなかにある、
小童
(
こわっぱ
)
の城太郎という観念は脱けなかった。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たかの知れた
小童
(
こわっぱ
)
、それにしてはイケ図々しい奴と、
懲
(
こ
)
らしめのためにポカポカやっていたのだが、急に反抗すると、それは驚くべき腕ざわりで、油断をしていたとはいえ
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「口の減らない
小童
(
こわっぱ
)
めが、この白山のありとあらゆる所、皆この俺の領分じゃわい!」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
小童
(
こわっぱ
)
の時代を抜けて、身なりこそ大きくなったけれど、体の大きくなったという事実だけで、大人になったとは誰にでも許せるものではない。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分が
後
(
おく
)
れを取ったのは、つまり自分が力負けをしたものに過ぎない、不意を襲われたために、この
小童
(
こわっぱ
)
にしてやられたのだ、用心してかかりさえすれば、なんの
一捻
(
ひとひね
)
りという気が先に立つのだから
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「角太郎と云う
小童
(
こわっぱ
)
で」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
見ると空の
黒鷲
(
くろわし
)
、その
翼
(
つばさ
)
にひそんでいるのは、呂宋兵衛がうらみ
骨髄
(
こつずい
)
にてっしている
鞍馬
(
くらま
)
の
小童
(
こわっぱ
)
。
丹羽昌仙
(
にわしょうせん
)
はきッと見て
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこに
串刺
(
くしざ
)
しとなった死骸よりも先にその方をジッとすかして見ると、
柄
(
がら
)
の小さな、もんぺを
穿
(
は
)
いたひとりの
小童
(
こわっぱ
)
がいきなり山刀を抜きそうにしてくるので
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
髪は麻糸でそッけなくうしろへ結び、なりは手織りの
筒袖
(
つつそで
)
に、黒のもんぺときまッていて、腰の短い山刀が、この
小童
(
こわっぱ
)
の風采を、すこし異様に光らせています。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まだ
竹刀
(
しない
)
をかついで、よく道場通いの途中で見かけた前髪の
小童
(
こわっぱ
)
であったが、今仰ぐと、
二十歳
(
はたち
)
か、一か、末娘のお信の方に似てやや丸顔な、
唇
(
くち
)
の大きな、そして
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二人は、ずっと以前の、小娘と
小童
(
こわっぱ
)
頃を思い出しながら、闇から闇へ、息のきれるまで駈けた。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ウム、なかなか不敵な
小童
(
こわっぱ
)
だ、てめえはお蝶の道づれだろう、それとも、何かべつな用があってここへ来たのか。それを言わねえとたたッ斬るぞ、さ、言うか、言わぬか」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「えらい者が手に入った。その
小童
(
こわっぱ
)
は、どうやら
武田家
(
たけだけ
)
の
御曹子
(
おんぞうし
)
らしい。五十や百の金で、人買いの手にわたす
代物
(
しろもの
)
じゃねえから、めったな手荒をせず、島へあげて、かいほうしろ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
物売りの
世間摺
(
せけんず
)
れ——旅ずれした
小童
(
こわっぱ
)
の、
減
(
へ
)
らず
口
(
ぐち
)
——と、小六も初めは見たのであったが、心が解けて
頷
(
うなず
)
くと、少しも
悪
(
わる
)
びれた様子はなく、舟を去って、日吉はすごすご立ち去ろうとした。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小童
(
こわっぱ
)
の罪は、主人の罪、どうなりと、ご処罰を
承
(
うけたまわ
)
ろう。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「帰さぬぞよ、
小童
(
こわっぱ
)
」と、関平を挟撃した。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
小童
(
こわっぱ
)
めが!」
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“小童”の解説
小童(こわっぱ / kowappa)は、日本の2ピースロックバンド。
元mappaというバンドのメンバー2人により構成されている。
(出典:Wikipedia)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
童
常用漢字
小3
部首:⽴
12画
“小童”で始まる語句
小童等
小童子
小童言