小川町をがはまち)” の例文
むかしともといふうちにもこれはわすられぬ由縁ゆかりのあるひと小川町をがはまち高坂かうさかとて小奇麗こぎれい烟草屋たばこや一人息子ひとりむすこいま此樣このやういろくろられぬをとこになつてはれども
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かぞへつゝたくみも深き御堀端ほりばた此處ここぞと猶豫ためらふ一番町たやすく人は殺せぬ物と田安たやす御門も何時いつか過ぎ心もくらうしふちを右にのぞみて星明ほしあかり九段坂をも下り來て飯田町なる堀留ほりどめより過るも早き小川町をがはまち水道橋すゐだうばし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
小川町をがはまちのお店をお廢めなされたといふ噂は他處よそながら聞いても居ましたれど、私も昔しの身でなければ種々いろ/\と障る事があつてな、お尋ね申すは更なること手紙あげる事も成ませんかつた
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
小川町をがはまちのおみせをおめなされたといふうわさ他処よそながら聞いてもゐましたれど、私も昔しの身でなければ種々いろいろと障る事があつてな、お尋ね申すは更なること手紙あげる事も成ませんかつた
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
小川町をがはまちのおみせをおめなされたといふうわさ他處よそながらいてもましたれど、わたしむかしのでなければ種々いろ/\さわことがあつてな、おたづまをすはさらなること手紙てがみあげることなりませんかつた
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いま何處どこうちつて、お内儀かみさんも御健勝おまめか、小兒ちツさいのも出來できてか、いまわたしをりふし小川町をがはまち勸工塲くわんこうば見物ゆきまする度々たび/\もとのおみせがそつくり其儘そのまゝおな烟草店たばこみせ能登のとやといふにつてまするを
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)