容躰ようだい)” の例文
案山子かゝしみのは、みつつともぴしよ/\とおとするばかり、——なかにもにくかつたはあとからやつかさたを得意とくい容躰ようだい、もの/\しや左右さいうみまはしながら前途ゆくて蹌踉よろめく。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此身このみ雲井くもゐとりがひ自由じゆうなる書生しよせい境界けうがいいましばしはあそばるゝこゝろなりしを、きの故郷ふるさとよりの便たよりにいはく、大旦那おほだんなさまこと其後そのご容躰ようだいさしたること御座ござなく候へども
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この身は雲井の鳥の羽がひ自由なる書生の境界けうがいに今しばしは遊ばるる心なりしを、先きの日故郷ふるさとよりの便りにいはく、大旦那さまことその後の容躰ようだいさしたる事は御座なくさうらへ共
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こんな容躰ようだいで人さまの仕事をしている境界きようがいでは無からうか、まあ夢のやうな約束さとて笑つていれば、いいやなそれは、出来ない時に調らへてくれとは言は無い、お前さんに運の向いた時の事さ
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それは調製こしらへてげられるやうならお目出度めでたいのだものよろこんで調製こしらへるがね、わたし姿すがたておれ、此樣こん容躰ようだいひとさまの仕事しごとをして境界きやうがいではなからうか、まあゆめのやうな約束やくそくさとてわらつてれば
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)