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如露
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じょろ
ふりがな文庫
“
如露
(
じょろ
)” の例文
庭の
如露
(
じょろ
)
のやうなものはそれでつくつたのだ。真鍮は、銅の赤さも持たないし、又亜鉛の白でもなく、金の黄色い色に出来上つてゐる。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
門人が驚いて先生大丈夫ですかというと、画伯は「文晁の彩色だからこのくらいのことは平気だ」としきりに
如露
(
じょろ
)
で水をかける。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
良
(
りょう
)
一は、
家
(
いえ
)
へ
帰
(
かえ
)
ると、
友吉
(
ともきち
)
からもらった
草花
(
くさばな
)
を
鉢
(
はち
)
に
植
(
う
)
えて、
如露
(
じょろ
)
で
水
(
みず
)
をやりました。
清
(
きよ
)
らかなしずくが
葉
(
は
)
の
間
(
あいだ
)
に
伝
(
つた
)
って、
下
(
した
)
の
黒
(
くろ
)
い
土
(
つち
)
の
中
(
なか
)
へ
浸
(
し
)
みていきます。
僕が大きくなるまで
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
如露
(
じょろ
)
の水が尽きる頃には白い羽根から落ちる水が
珠
(
たま
)
になって
転
(
ころ
)
がった。文鳥は絶えず眼をぱちぱちさせていた。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
つばのひろい麦わらの帽子をかぶった庭男が、しきりに花の間をくぐって、
如露
(
じょろ
)
で水をやっているのが見えた。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
そして
如露
(
じょろ
)
でシャーとかけましたのでデストゥパーゴは膝から胸からずぶぬれになって立ちあがりました。
ポラーノの広場
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と、渡りに船の
譬喩
(
たとえ
)
も恥かしい。水に縁の切れた
糸瓜
(
へちま
)
が、物干の
如露
(
じょろ
)
へ伸上るように身を起して
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やがてアセチリン瓦斯の匂いと青い灯が
如露
(
じょろ
)
の水に
濡
(
ぬ
)
れた緑をいきいきと
甦
(
よみがえ
)
らしている植木屋の前まで来ると、もうそこからは夜店の
外
(
はず
)
れでしょう、底が抜けたように薄暗く
アド・バルーン
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「ええ。
些
(
ちっ
)
とばかりの地面や木なんぞ
貰
(
もら
)
ったって、何になるもんですか。水島の物にだって目をくれてやしませんよ」お島は
跣足
(
はだし
)
で、井戸から
如露
(
じょろ
)
に水を汲込みながら言った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
苺
(
いちご
)
の苗を買ってやった。草花の種子や球根やをいろいろ遠い所からわざわざ取り寄せてやった。
鍬
(
くわ
)
や、鎌や、バケツや、水桶や、
如露
(
じょろ
)
や、そう云ったものを一式揃えて持たせた。
田舎医師の子
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
伸子は、ある日、片手で着物の裾をつまみながら、
如露
(
じょろ
)
で部屋の前に水撒きをしていた。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
背中
(
せなか
)
にはあせにぬれたシャツを着、両手に
如露
(
じょろ
)
を持って、ぬかるみの道の中を、
素足
(
すあし
)
で歩かなければならなかった。でもぐるりのほかの人たちも、同じようにあらっぽい
労働
(
ろうどう
)
をしていた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
そのひまに母は走りのきしが、不意を打たれて倒れし王は、起き上りて父に組付きぬ。
肥
(
こ
)
えふとりて多力なる国王に、父はいかでか敵し得べき、組敷かれて、
側
(
かたわら
)
なりし
如露
(
じょろ
)
にてしたたか打たれぬ。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
平次は落着きはらって
如露
(
じょろ
)
を
沓脱
(
くつぬぎ
)
の上へ置きました。
銭形平次捕物控:067 欄干の死骸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
自分は急に
易籠
(
かえかご
)
を取って来た。そうして文鳥をこの方へ移した。それから
如露
(
じょろ
)
を持って風呂場へ行って、水道の水を
汲
(
く
)
んで、籠の上からさあさあとかけてやった。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二人は
如露
(
じょろ
)
の手をやめて、しばらくだまって顔を見合せたねえ、それからペムペルが云った。
黄いろのトマト
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
萎
(
な
)
えしぼんだ草樹も、その
恵
(
めぐみ
)
に依って、
蘇生
(
いきかえ
)
るのでありますが、しかしそれは、広大無辺な自然の力でなくっては出来ない事で、人間
業
(
わざ
)
じゃ、なかなか焼石へ
如露
(
じょろ
)
で振懸けるぐらいに過ぎますまい。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
四つ目垣の向うは二三十坪の
茶畠
(
ちゃばたけ
)
でその間に梅の木が三四本見える。垣に
結
(
ゆ
)
うた竹の先に洗濯した
白足袋
(
しろたび
)
が裏返しに
乾
(
ほ
)
してあってその隣りには
如露
(
じょろ
)
が
逆
(
さか
)
さまに
被
(
かぶ
)
せてある。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
如
常用漢字
中学
部首:⼥
6画
露
常用漢字
中学
部首:⾬
21画
“如露”で始まる語句
如露亦如電