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奇遇
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きぐう
ふりがな文庫
“
奇遇
(
きぐう
)” の例文
其角は此時和泉の
淡
(
あは
)
の
輪
(
わ
)
といふ所にありしが、翁大坂にときゝて病ともしらずして十日に来り十二日の
臨終
(
りんじゆう
)
に
遇
(
あへ
)
り、
奇遇
(
きぐう
)
といふべし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
とあっけにとられて立ちすくんでいると、そこへ
奇遇
(
きぐう
)
におどろきながら、
小幡民部
(
こばたみんぶ
)
と
龍太郎
(
りゅうたろう
)
がうちつれて
馳
(
か
)
けつけてくる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まち
子
(
こ
)
の
夫
(
をつと
)
の
末男
(
すゑを
)
は、
偶然
(
ぐうぜん
)
にも
彼女
(
かれ
)
とおなじ
北海道
(
ほくかいだう
)
に
生
(
うま
)
れた
男
(
をとこ
)
であつた。
彼女
(
かれ
)
はそれを
不思議
(
ふしぎ
)
な
奇遇
(
きぐう
)
のやうに
喜
(
よろこ
)
んだ。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
「いや井上
円了
(
えんりょう
)
さんも来て居る。」「そりゃ
奇遇
(
きぐう
)
だ。君が
出際
(
でしな
)
に死なずに帰ってくれろといって僕は頼んだが、よう死なずに帰って来た。実にうまくいった」
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
それから
朝日島
(
あさひじま
)
に
漂着
(
へうちやく
)
して、
椰子
(
やし
)
の
果實
(
み
)
の
美味
(
うま
)
かつた
事
(
こと
)
。
猛狒
(
ゴリラ
)
の
襲撃
(
しふげき
)
一件
(
いつけん
)
。
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
との
奇遇
(
きぐう
)
。
鐵
(
てつ
)
の
響
(
ひゞき
)
と
屏風岩
(
べうぶいわ
)
の
奇異
(
きゐ
)
。
猛犬稻妻
(
まうけんいなづま
)
の
世
(
よ
)
にも
稀
(
まれ
)
なる
犬
(
いぬ
)
なる
事
(
こと
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
しかし
彼是
(
かれこれ
)
十分の
後
(
のち
)
、
銀座四丁目
(
ぎんざよんちやうめ
)
から電車に乗ると、
直
(
すぐ
)
に又彼等も同じ電車へ姿を現したのは
奇遇
(
きぐう
)
である。電車はこみ合つてはゐなかつたものの、
空席
(
くうせき
)
はやつと一つしかない。
鷺と鴛鴦
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其角は此時和泉の
淡
(
あは
)
の
輪
(
わ
)
といふ所にありしが、翁大坂にときゝて病ともしらずして十日に来り十二日の
臨終
(
りんじゆう
)
に
遇
(
あへ
)
り、
奇遇
(
きぐう
)
といふべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
奇遇
(
きぐう
)
といおうか、
皮肉
(
ひにく
)
なぐうぜんといおうか、じつに人間の
意表外
(
いひょうがい
)
にでることは、わずか十
坪
(
つぼ
)
か二十坪の天地にも、つねに待ちぶせているものだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その時は互に名乗りもせず、それなり別れてしまいましたが、今わたしの見た弥三右衛門は、当年の船頭に違いないのです。わたしは
奇遇
(
きぐう
)
に驚きながら、やはりこの老人の顔を見守っていました。
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
神の御
罰
(
ばつ
)
が
夫婦
(
ふうふ
)
の
縁
(
えん
)
となりしも
奇遇
(
きぐう
)
といふべし。こは我が
幼
(
をさな
)
かりし時の事也き、筆のついでに
記
(
しる
)
して
御機屋
(
おはたや
)
の
霊威
(
れいゐ
)
ある事をわかふどにしらしむ。あなかしこ。
畏
(
おそる
)
べし、
慎
(
つゝし
)
むべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
実際才子佳人の
奇遇
(
きぐう
)
には
誂
(
あつら
)
え向きの舞台だったのに違いありません。
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それに反して一八郎の
頭脳
(
あたま
)
は、怖ろしい
緻密
(
ちみつ
)
さと速度でこの
奇遇
(
きぐう
)
の利害を考え始めた。あの二人も阿波の密境へ入り込もうとする者、また自分たちも久しく阿波の内情を探ろうとして
腐心
(
ふしん
)
するものだ。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
編輯者 「
奇遇
(
きぐう
)
」と云う題ですね。どんな事を書いたのですか?
奇遇
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
愛慾流転
(
あいよくるてん
)
奇遇
(
きぐう
)
の
辻
(
つじ
)
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
奇遇
(
きぐう
)
だなあ」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
馬糧小屋
(
まぐさごや
)
の
奇遇
(
きぐう
)
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“奇遇”の意味
《名詞》
奇遇(きぐう)
思いがけず出会うこと。思いがけずめぐり会うこと。
(出典:Wiktionary)
奇
常用漢字
中学
部首:⼤
8画
遇
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
“奇遇”で始まる語句
奇遇中
奇遇談