“きぐう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
寄寓68.1%
奇遇27.7%
奇寓2.1%
詭遇2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕が首尾よく大学の医科に入学した時、国の父親からの云いつけだといって、以前寄寓きぐうした松山という男が僕の下宿を訪ねて来た。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
とあっけにとられて立ちすくんでいると、そこへ奇遇きぐうにおどろきながら、小幡民部こばたみんぶ龍太郎りゅうたろうがうちつれてけつけてくる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この邸に奇寓きぐうする食客しょっかくであるが、立寄れば大樹おおきの蔭で、涼しい服装みなり、身軽な夏服を着けて、帽を目深まぶかに、洋杖ステッキも細いので、猟犬ジャム、のほうずに耳のおおきいのをうしろに従え、得々として出懸けるところ
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この詭遇きぐうの影に傷けられた、大家先生の自負心の創痕はいつか癒えて、稀にではあるが先生が尊重の情をもって少時の女友達の上を回想することもある。
田舎 (新字新仮名) / マルセル・プレヴォー(著)