外聞げえぶん)” の例文
仕事しごとったって、えたいのれぬにおいが、半纏はんてんにまでしみんでるんで、外聞げえぶんわるくッて仕様しようがありやァしねえ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
わっち初音屋はつねやにいる安てえ者ですが、此の土地にいて親方を知らねえと云うのは本当に外聞げえぶんりいくれえのもので、吉原でも日本橋でも何処の川通りだって
外聞げえぶんわりいもなんにもんねえんだな」嘲笑てうせう意味いみではあるが何處どことなくしづんでまたういふものつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
この年齢になって石場の番人なんて、外聞げえぶんが悪くて、人に話もできやしねえ——。
われれからおはりにいけつかんな、そらつてぐんだ、おつかゞつてたふるいのなんざあ外聞げえぶんわるくつてだなんていふから、んでもおとつゝあひでぜねつてたんだぞ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其の若旦那のやめえが癒らねえから、仕方なしにお離縁になったが、大きな腹ア抱えて世間に顔向けが出来ねえ、外聞げえぶんが悪くって生きて居られねえッて、枕橋から身を投げるとこを助けて
外聞げえぶんさらしやがつて」と卯平うへいおこつたがそれがためこと容易よういはこばれた。勘次かんじ婿むこつたのである。簡單かんたんしきおこなはれた。にはか媒妁人ばいしやくにんさだめられたものが一人ひとり勘次かんじれてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
伴「しずかにしろ、外聞げえぶんがわりいや、奉公人に聞えてもいけねえ」