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咳
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しわぶ
ふりがな文庫
“
咳
(
しわぶ
)” の例文
と
咳
(
しわぶ
)
き、がっしりした、
脊低
(
せいひく
)
の
反身
(
そりみ
)
で、仰いで、指を輪にして目に当てたと見えたのは、柄つきの片目金、拡大鏡を
当
(
あて
)
がったのである。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこを通りかかった時、
図
(
はか
)
らずも寒夜に
咳
(
しわぶ
)
く声を耳にした、それは橋の下あたりに泊っている舟人の咳であった、というのである。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
煙は花壇の上から蠅を追い散らした勢力よりも、更に数倍の力をもって、直接腐った肺臓を攻撃した。患者たちは
咳
(
しわぶ
)
き始めた。彼らの一回の咳は、一日の静養を掠奪する。
花園の思想
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
耳をすますと、頼政の
咳
(
しわぶ
)
きが、庭木の奥の古い
棟
(
むね
)
から聞えてくるほど、そこと母屋は近かった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ずっと前に源
俊頼
(
としより
)
の『
散木奇歌集
(
さんぼくきかしゅう
)
』九に、内わたりに夜更けてあるきけるに、
形
(
かたち
)
よしといわれける人の打ち解けてしとしけるを聞きて
咳
(
しわぶ
)
きをしたりければ恥じて入りにけり
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
勿論、今までに幾人も通ったが、北の方からきこえて来るその足音がどうも待っているものであるらしく直覚されたので、半七は
咳
(
しわぶ
)
きの合図をすると、塀の横手からもその返事があった。
半七捕物帳:23 鬼娘
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
人も豚も鶏も
蜥蜴
(
とかげ
)
も、海も樹々も、
咳
(
しわぶ
)
き一つしない。
夾竹桃の家の女
(新字旧仮名)
/
中島敦
(著)
と、廊下に足音がし、襖の外で
咳
(
しわぶ
)
く声がし
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
障子の内に
咳
(
しわぶ
)
く声がした。
人面瘡物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
咽喉
(
のど
)
が狂って震えがあるので、えへん! と
咳
(
しわぶ
)
いて、
手巾
(
ハンケチ
)
で
擦
(
こす
)
って、
四辺
(
あたり
)
を
眗
(
みまわ
)
したが、湯も水も有るのでない、そこで
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
人も豚も鶏も
蜥蜴
(
とかげ
)
も、海も樹々も、
咳
(
しわぶ
)
き一つしない。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
主人は勿体らしく
咳
(
しわぶ
)
きして一同に声をかけた。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
咳
(
しわぶ
)
きの中から苦しげに、
源三位頼政
(
げんざんみよりまさ
)
は云った。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「こんなこッちゃあ
可
(
い
)
かん。」と自から
窘
(
たしな
)
めるがごとく
呟
(
つぶや
)
いて、
洋燈
(
ランプ
)
を見て、再び机に向った時、
室
(
ま
)
が広いので灯も届かず、薄暗い
古襖
(
ふるぶすま
)
の外に
咳
(
しわぶ
)
く声して
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
首垂
(
うなだ
)
れたり、
溜息
(
ためいき
)
をしたり、
咳
(
しわぶ
)
いたり、
堅炭
(
かたずみ
)
を
埋
(
い
)
けた大火鉢に
崩折
(
くずお
)
れて
凭
(
もた
)
れたり、そうかと思うと
欠伸
(
あくび
)
をする、老若の患者、薬取がひしと詰懸けている玄関を、へい、御免ねえ
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と骨ばった、しかし細い指を、口にあてて、客僧は軽く
咳
(
しわぶ
)
いた。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“咳(
咳嗽
)”の解説
咳嗽(がいそう、en: cough)とは、医療分野における症状の一種であり、肺や気道から空気を強制的に排出させるための生体防御運動であり、通常繰り返して起こる気管・喉頭・呼吸筋の反射的な収縮運動である。一般的には咳(せき)という。
(出典:Wikipedia)
咳
漢検準1級
部首:⼝
9画
“咳”を含む語句
咳嗽
咳声
咳払
謦咳
咳枯
空咳
咳嗄
癆咳
咳拂
一咳
咳一咳
打咳
百日咳
癆咳病
御咳
咳入
労咳
咳唾
咳込
小咳
...