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吹
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ふか
ふりがな文庫
“
吹
(
ふか
)” の例文
朝飯
(
あさはん
)
の
珈琲
(
コーヒー
)
もそこ/\に啜り終つて書齋の襖をあけると、ぼんやり天井を眺めて卷煙草を遠慮なしに
吹
(
ふか
)
して居た黒川は椅子から立ち
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
年頃
(
としごろ
)
愛
(
めで
)
玉ひたる梅にさへ別れををしみたまひて「
東風
(
こち
)
吹
(
ふか
)
ば匂ひをこせよ梅の花
主
(
あるじ
)
なしとて春な
忘
(
わすれ
)
ぞ」此梅つくしへ
飛
(
とび
)
たる事は
挙世
(
よのひと
)
の知る処なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
じっとりした往来には、荷車の
軋
(
きし
)
みが静かなあたりに響いていた。
徹宵
(
よっぴて
)
眠られなかったお島は、熱病患者のように
熱
(
ほて
)
った
頬
(
ほお
)
を快い暁の風に
吹
(
ふか
)
れながら、野良道を急いだ。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
チョット失敬してキング・オブ・キングスの
喇叭
(
らっぱ
)
を
吹
(
ふか
)
してもらおう。
序
(
ついで
)
にハバナの方も一つ輪に
吹
(
ふか
)
して……オットット……これはしたり。吾輩はまだ教壇の前に居るんだっけね。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「然し自意識が発達すると云ふ事は、他人の間から自己を独立させると云ふ事になる、また
囚
(
とらは
)
れた自分を
活
(
いか
)
さうと云ふ事にもなる。」と膳を
押遣
(
おしや
)
つて、心静かに落着いて煙草を
吹
(
ふか
)
して居る。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
▼ もっと見る
しばらくは
沈着
(
おちつき
)
払って黙って
長煙管
(
ながぎせる
)
を
吹
(
ふか
)
して
居
(
い
)
たが、外ではないんですと云うのが口切で、親御さんがおいでの内は遠慮して居りましたが、今月で三月というもの入れて下さらぬのには困ります
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
湯の
沸騰
(
たぎ
)
るを待つ間は煙草をパクパク
吹
(
ふか
)
していたが
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
高田は笑ましげに
巻莨
(
まきたばこ
)
を
吹
(
ふか
)
して
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふか
)
れてゐるわいな。
桜さく島:春のかはたれ
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
年頃
(
としごろ
)
愛
(
めで
)
玉ひたる梅にさへ別れををしみたまひて「
東風
(
こち
)
吹
(
ふか
)
ば匂ひをこせよ梅の花
主
(
あるじ
)
なしとて春な
忘
(
わすれ
)
ぞ」此梅つくしへ
飛
(
とび
)
たる事は
挙世
(
よのひと
)
の知る処なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
頭
(
かしら
)
は悠然と煙を
吹
(
ふか
)
して
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かくてもあられねばなく/\
焼残
(
やけのこ
)
りたる
綱
(
つな
)
をしるしにもち、
暗
(
くら
)
き
夜
(
よ
)
にたいまつもなく
雪荒
(
ゆきあれ
)
に
吹
(
ふか
)
れつゝ
泪
(
なみだ
)
もこほるばかりにてなく/\立かへりしが、
夫
(
をつと
)
が
死骸
(
しがい
)
さへ見えざりしと
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
吹
常用漢字
中学
部首:⼝
7画
“吹”を含む語句
吹雪
吹掛
鼓吹
吹込
吹出
一吹
吹消
吹奏
吹散
吹溜
潮吹
吹懸
吹聴
息吹
灰吹
吹上
吹降
吹荒
吹通
吹捲
...