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卑賤
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ひせん
ふりがな文庫
“
卑賤
(
ひせん
)” の例文
汝とまちがえられ、刑に処せられ、
卑賤
(
ひせん
)
と醜悪とのうちに余生を終わろうとしている! それでよし。汝は正直な人間となっておれ。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
説
(
と
)
く
所
(
ところ
)
、
(六一)
名高
(
めいかう
)
を
爲
(
な
)
すに
出
(
い
)
づる
者
(
もの
)
なるに、
之
(
これ
)
に
説
(
と
)
くに
厚利
(
こうり
)
を
以
(
もつ
)
てせば、
則
(
すはな
)
ち
(六二)
下節
(
かせつ
)
とせられ、
而
(
しかう
)
して
卑賤
(
ひせん
)
とせられ、
必
(
かなら
)
ず
棄遠
(
きゑん
)
せられん。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
ゴットフリートや
卑賤
(
ひせん
)
な人々の思い出が、いつしか彼をして、自分の真の友人らは民衆の方面にあると信ぜしめた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
卑賤
(
ひせん
)
にそだちたる
我身
(
わがみ
)
なれば
初
(
はじ
)
めより
此上
(
このうへ
)
を
見
(
み
)
も
知
(
し
)
らで、
世間
(
せけん
)
は
裏屋
(
うらや
)
に
限
(
かぎ
)
れるものと
定
(
さだ
)
め、
我家
(
わがや
)
のほかに
天地
(
てんち
)
のなしと
思
(
おも
)
はゞ、はかなき
思
(
おも
)
ひに
胸
(
むね
)
も
燃
(
も
)
えじを
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それに
天稟
(
てんぴん
)
ともいうべき筒井の言葉づかいの高雅なことは、高い官についた人の次女であることをおもわせ、
卑賤
(
ひせん
)
のそだちである彼に
勿体
(
もったい
)
ないくらいのものであった。
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
平民はその容貌、品格等が
卑賤
(
ひせん
)
でありますけれども、その性質はやや正直で盗心が盛大でない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
また名字正しき侍にはこの害なく
卑賤
(
ひせん
)
の者は金持ちでもあてられるなどと書いてある。
化け物の進化
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
秀吉は、
卑賤
(
ひせん
)
に生れ、逆境に育ち、特に学問する時とか教養に暮す年時などは持たなかったために、常に、接する者から必ず何か一事を学び取るということを忘れない習性を備えていた。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
而
(
しか
)
して進み行く方法、即ち目的に達する手段として取るべき仕事は、車を引くも
宜
(
よ
)
し、牛乳配達も宜し、普通に
卑賤
(
ひせん
)
と称している労働、その種類が何であるとも少しも遠慮するの必要はない。
現代学生立身方法
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
追て御打払方
然
(
しか
)
るべしなど、または当時の形勢にては人心一致天子を守護致し、
卑賤
(
ひせん
)
の者にても人を越え御撰挙これ無くては
迚
(
とて
)
も御国威は振い申すまじなど、御政事向に拘り候国家の重事を著述致し
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
嫉妬で、そんな考へにはやまるな。否。彼等は、生きてゐるばかりでなく、支配し、救濟する。そして、神の力が到る處に擴がつてゐなければ、お前は、地獄——お前自身の
卑賤
(
ひせん
)
の地獄にあるだらう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
何者にも、たとえ偉大なる民衆にも、
阿諛
(
あゆ
)
の言を
弄
(
ろう
)
してはならないから、吾人はあえて言うのである。すべてがある所には、崇高と相並んで
卑賤
(
ひせん
)
も存する。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その魂は
貪慾
(
どんよく
)
であって、現在の男や女や大地や情熱や思想などを、しかも苦々しい
凡庸
(
ぼんよう
)
な
卑賤
(
ひせん
)
なものまでも、喜んで感じ許容し観察し理解したがっていた。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
卑賤
(
ひせん
)
にそだちたる
我身
(
わがみ
)
なれば、
始
(
はじめ
)
よりこの
以上
(
うへ
)
を見も知らで、世間は裏屋に限れる物と
定
(
さだ
)
め、
我家
(
わがや
)
のほかに天地のなしと思はゞ、はかなき思ひに胸も燃えじを
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
こういう芸術を徳川時代の民間の
卑賤
(
ひせん
)
な芸人どもはちゃんと心得ていたわけである。
生ける人形
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
臣
(
しん
)
は
素
(
もと
)
卑賤
(
ひせん
)
なり、
君
(
きみ
)
之
(
これ
)
を
(五)
閭伍
(
りよご
)
の
中
(
うち
)
より
擢
(
ぬき
)
んで、
之
(
これ
)
を
大夫
(
たいふ
)
の
上
(
うへ
)
に
加
(
くは
)
ふ。
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
卑賤
(
ひせん
)
の親とは慕われようが、決して貴人の
相
(
そう
)
とは申されぬ
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もし善良な神が存在するならば、生ける魂のうちのもっとも
卑賤
(
ひせん
)
なものも救われなければならない。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
あの
露
(
あら
)
わな足、露わな腕、ぼろ、無知、
卑賤
(
ひせん
)
、暗黒、それらは理想の実現のために使用し得らるるであろう。民衆を通してながめよ、さすれば真理を認め得るであろう。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
数年来、平和主義的な反軍国主義的な理論が、国民のもっとも高尚な分子ともっとも
卑賤
(
ひせん
)
な分子とによって宣伝されて、しだいに広がっていた。国家はそれを長い間放任していた。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
破廉恥と
卑賤
(
ひせん
)
とを積み上げて民衆を酔わすこと、間諜が醜業をささえる柱となって衆人を侮辱しながらかえって衆人を侮辱しながらかえって衆人を笑わせること、金ぴかのぼろであり
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それは社会上の
卑賤
(
ひせん
)
な者を解放した。人の精神をやわらげ、それを静め慰め光明を与えた。地上に文明の波を流れさした。りっぱな事業であった。フランス大革命は実に人類を
聖
(
きよ
)
めたのです。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
すなわち
卑賤
(
ひせん
)
なる壮大さを実現してるものである。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
卑賤
(
ひせん
)
な歌を無邪気に歌い回る。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
“卑賤”の意味
《名詞・形容動詞》
卑賤(略字:卑 賎)(ひせん)
身分や地位が低いこと。
蔑むに値し、品格が低いとして粗末な扱いを受ける有様。穢(けが)らわしいこと。
(出典:Wiktionary)
卑
常用漢字
中学
部首:⼗
9画
賤
漢検準1級
部首:⾙
15画
“卑賤”で始まる語句
卑賤者
卑賤醜悪