勘違かんちが)” の例文
(嬢様勘違かんちがいさっしゃるな、これはお前様ではないぞ、何でもはじめからそこなお坊様に目をつけたっけよ、畜生俗縁ぞくえんがあるだッぺいわさ。)
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人間にんげんというものは案外あんがいかんじのにぶいもので、自分じぶんたましいからだからたり、はいったりすることにづかず、たましいのみで経験けいけんしたことを、あたかも肉体にくたいぐるみ実地じっち見聞けんぶんしたように勘違かんちがいして
わたし如何いかにも放蕩のらをつくしてうちへとてはりつかぬやうにつたを、もらふべきころもらものもらはぬからだと親類しんるいうちわからずやが勘違かんちがひして、れならばと母親はゝおや眼鏡めがねにかけ、是非ぜひもらへ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
嬢様ぢやうさま勘違かんちがひさつしやるな、これはお前様まへさまではないぞ、なんでもはじめから其処そこ御坊様おばうさまをつけたつけよ、畜生ちくしやう俗縁ぞくえんがあるだツぺいわさ。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あれきつちやんそれはおまへ勘違かんちがひだ、なにわたし此處こゝはなれるとておまへ見捨みすてることはしない、わたしはほんとに兄弟きやうだいとばかりおもふのだもの其樣そん愛想あいそづかしはひどからう、とうしろからがひじめにめて
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)