めい)” の例文
そいでもおめいは金をめ込んどる話だで困らんが俺らは全く困るよ! 俺ァ繭が十両しとっても困っとったんだで
夏蚕時 (新字旧仮名) / 金田千鶴(著)
「お上さん、おめいの深切ぶりはもうしてくんな。俺あ痛くもねえ腹探られて、気色きしょくが悪くてならねえ。」
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
此のはおめいさんのたねちげいというと、男の方では月イ勘定すると一月ひとつき違うから己の児じゃアい、顔まで彼奴あいつに似ていると云うと、女は腹ア立って
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「遅いやい遅いやい、いまさら夜迷言よまいごとをぬかすな、あの子はあとあとの苦情のねえように、ようく念を押しておれがもれえ受けたんだ、おめいたちに縁もゆかりもねえ」
「おい、おい、しょうどん! おめい何処どこを見てるんだな。ちっとシッカリしないかい!」
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
めい、女房は産後の肥立ひだちが良くねえので床に就いたきり、野郎は車でもかうツて見た所で、電車が通じたので其れも駄目よ、彼此かれこれする中に工場できざした肺病が悪くなつて血を吐く
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
言葉が極めて横柄で客に向いて「あなた」とは云はずに「おめいたち」と云ふ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
うまやめいちよで
十五夜お月さん (旧字旧仮名) / 野口雨情(著)
でけえ穴にはなったが疵口が癒ってしまって、達者になったのだ、寿命のある人は別なもんか、助かるめいと思ったおめいさんが此様こんなにでかくなったのにゃア魂消やした
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
めえと六十八十までも夫婦になるだが、おたげえに気に入らねえ所が出来る、どうも嫁は彼処あすこい此処が気に入らねえ、どうも腹ア立っていけねえと云えば、おめい
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うさなア、どうもこれはおめいとことっさまという人は中々道楽をぶって、他人ひとのいう事アかねえ人だよ、此のめえ荷い馬へ打積ぶっつんで、おめえとこ居先みせさきで話をしていると
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
婆「背中かね……おめいさん何歳いくつの時だね」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)