より)” の例文
親仁おやぢやぶみのらして、しよぼりとしたていで、ひよこひよことうごいてて、よたりとまつみきよりかゝつて、と其処そこつてまる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
細長い大きな部屋の一隅にホロホロと暖炉ストーブを焚いて深いより椅子に埋まっていた老人は、私を見ると杖を挙げて
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
になんぞけなくてもいゝよ、れも傘屋かさや吉三きちざうをんなのお世話せわにはらないとつて、よりかかりしはしらこすりながら、あゝつまらない面白おもしろくない、れは本當ほんたうなんふのだらう
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
証する無かるべけん 明珠八顆すべて収拾す 想ふ汝が心光地によりまろきを
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
ゆきは、故郷ふるさとからわたしむかひたものを、……かへちつとしに、貴下あなたせなよりかゝつて、二階にかい部屋へやはいりしなに、——貴下あなたのお父様とうさま御覧ごらんには、……きふ貴下あなたおほきくつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
被布ひふを着た女の子の、キチンと坐って、この陽気に、袖口へ手を引込ひっこめて、首をすくめて、ぐったりして、その年増の膝によりかかっていたのがあって、病気らしい、と思ったのが、すなわち話の
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)