停車ていしや)” の例文
田端たばた停車ていしやしたときその立上たちあがつて、夕靄ゆうもやにぽつとつゝまれた、あめなかなるまちはうむかつて、一寸ちよつと会釈ゑしやくした。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
海岸線かいがんせんまはりの急行列車きふかうれつしや古間木こまきへ(えきへは十和田わだ繁昌はんじやうのために今年ことしから急行きふかうがはじめて停車ていしやするのださうで。)——いたとき旅行たび経験けいけんすくな内気うちきものゝあはれさは
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大船おほふな停車ていしやときまどつて、逗子づしかたむかひ、うちつけながらそれがしがお馴染なじみにておはします、札所ふだしよ阪東第三番ばんどうだいさんばん岩殿寺いはとのでら觀世音くわんぜおん御無沙汰ごぶさたのおわびまをし、道中だうちう無事ぶじと、ねんまゐらす。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
分間ふんかん停車ていしやいて、昇降口しようかうぐちを、たうげ棧橋かけはしのやうな、くもちかい、夕月ゆふづきのしら/″\とあるプラツトフオームへりた一人旅ひとりたび旅客りよきやくが、恍惚うつとりとしたかほをしてたづねたとき立會たちあはせた驛員えきゐんは、……こたへた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)