“依怙地:えこじ” の例文
“依怙地:えこじ”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治8
野村胡堂2
山本周五郎2
森鴎外2
芥川竜之介1
“依怙地:えこじ”を含む作品のジャンル比率
文学 > ドイツ文学 > 小説 物語2.2%
文学 > フランス文学 > 小説 物語1.9%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸1.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
それに近ごろ、他の同僚たちが、暗にお芳との恋をいさめだてする口ぶりなのが、よけいに慎吾を依怙地えこじにさせた。
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
困る事には、ポルジイは依怙地えこじやつで、それが出来ないなら云々うんうんすると、暗に種々の秘密を示しておびやかす。
お松は少し依怙地えこじになったのと、内々はお花のいるのを力にしているのとで、表面だけは強そうに見せている。
心中 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ひょっと見、意地悪法師に思えもしたが、どことなく、依怙地えこじの底に愛嬌みたいな楽天性のあることが、そのていでも、うかがわれる。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「警視庁で精神鑑定をしたが、少し学者らしい依怙地えこじなところはあるが、大した異状はないと言うことだ」
音波の殺人 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
もし政府が神経質で依怙地えこじになって社会主義者を堰かなかったならば、今度の事件も無かったであろう。
謀叛論(草稿) (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
僕は自然と依怙地えこじになり、とにかく四時になるまでは控室へはいるまいと決心した。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「よしよし何かわけがあるだろう。若い者はとんだところで依怙地えこじになるものだ」
「喜代や——。おまえ、お連れして、差し上げるといい。あんな、依怙地えこじな兄さんだから、また、お前でもいてゆかないと、渡して下さらないかも知れないし……」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おまけに、ここへ着いたら小降りだぜ、いやに依怙地えこじにできてやがる」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
したがって、お綱の生死、この周馬には責任もなし、或いは、妙な依怙地えこじになって、かえって、女の味方になり、よそへ逃がしてしまうかも知れませんて……とかく人間というやつ
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見れば、まだ若いのに、道安は跛足びっこであった。——千宗易せんのそうえきの長男であるから、いわゆる大家の若旦那の風はあるが、そうした体なので、依怙地えこじできかない気性だといわれている。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それでも死なねえ」と春さんが云った、「よっぽど心臓が丈夫だったんだべえさ、軍医もこんな依怙地えこじな心臓にゃあこれまでおめにかかったことがねえって、心臓がこんなに丈夫でもよし悪しだって云ってたっけだ」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
食事をしまって帰った時は、明方に薄曇のしていた空がすっかり晴れて、日光が色々に邪魔をする物のある秀麿のへやを、物見高い心から、依怙地えこじに覗こうとするように、窓帷まどかけのへりや書棚のふちを彩って
かのように (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「それでも死なねえ」と春さんが云った、「よっぽど心臓が丈夫だったんだべえさ、軍医もこんな依怙地えこじな心臓にゃあこれまでおめにかかったことがねえって、心臓がこんなに丈夫でもよししだって云ってたっけだ」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そしてお前は防寨ぼうさいに行き、依怙地えこじに生命を捨ててしまった。ベリー公についてわしが言った事柄の腹せだ。実に不名誉なことだ。だがまあ床について、静かに眠るがいい。ああ死んでしまった。これがわしの覚醒めざめだ。
『世間がそしるとあれば、なお死なぬ、赤穂の浪人共が、狙うとあらば、意地でも生きてみせる。わしは、元来が、そういう依怙地えこじに出来ている人間じゃ。自害などしたら、奴等が、こぞって、手をって嘲笑わらおう。それが、いやだ、無念だ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老後は知らず、いまにおいては、せっかく蓄えたこの黒髪を、あたら再びる気はない。……と、ばかりでは、叡慮にたてつくまろの依怙地えこじのように取られもせんが、世を思うためだ。また、ここまでちとってきたご理想の具現をふかく憂えるからだ。
度々たび/\行く様に成るとそこは阿漕あこぎの浦に引網ひくあみとやらであらわれずには居ない、其の番頭が愚図/\云うに違いない、うすると私が依怙地えこじに成って何を云やアがる此方こっちじゃア元より一つ長屋に居たんだ、確乎ちゃんと約束がある女だ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
だめだ、あの小山すみれは。ああいう女は、一旦依怙地えこじとなったら、殺されてもしゃべらないものだ。赤見沢はさすがにそれを心得て雇っている。沈黙女史は今のところそっとして置くしかない。しかし——帆村君。生もない鞄がなぜ飛び得ると考えるのか、怪談以外の考え方に於て……。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)