侍女じじょ)” の例文
部屋の中には、国王や女王や侍女じじょ達や二三の家来けらいが、ぐるりと寝台を取り囲んでいました。王子はびっくりして起き上がりました。
夢の卵 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
むすめはこういって、ヨハネスの手をとり、おしろのなかへ案内あんないしていきました。このむすめは、王女のおつきの侍女じじょだったのです。
夢中むちゅうはらったおれん片袖かたそでは、稲穂いなほのように侍女じじょのこって、もなくつちってゆく白臘はくろうあしが、夕闇ゆうやみなかにほのかにしろかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「私が返辞をしなかったとか? いやいや私は答えた筈じゃ。髑髏盃がお館に在ることを私は侍女じじょから聞きました」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
国貞は美貌の侍女じじょ貴公子が遊宴のじょうによりて台榭だいしゃ庭園ていえんの美と衣裳什器じゅうきの繊巧とを描出えがきいだして人心を恍惚こうこつたらしめ
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
私たちは侍女じじょなんです。今日きょう、森へ遊びにお姫様ひめさまをおつれもうしましたところ、道にまよってとうとうここへきてしまいました。どうか、今晩こんばんだけ宿やどをかしてください。
巨男の話 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
そういっているとき、当のお姫さまが、侍女じじょたちのこらず引きつれて、馬にのったまま、お城の中庭へのり込んで来ました。そこで、王さまも、ヨハンネスもそこへいってあいさつしました。
そして、侍女じじょがそばまできますと、侍女がをつつんでいたマントをいきなりはぎとって、この女をむちでうって、いだしてしまいました。
そして翌朝になると、侍女じじょや学者達に、また国王や女王へまでも、夢の話をしてきかせました。
夢の卵 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
手荒てあら退けられた一人ひとり侍女じじょは、ころびながらも、おれんすそしかおさえた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
侍女じじょは、おしろにわをながれている小川のところへでていきました。そして、おけにドジョウをいっぱいとってこさせました。
ところが夜になって、夜もふけてから、一人の侍女じじょが、何度も見廻った王子の部屋に、も一度何気なにげなくはいってみますと、王子は寝床にすやすや眠ってるではありませんか。
夢の卵 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
二三にん侍女じじょが、ぐさまそのあとった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
お姫さまはもうどうしていいかわからなくなりましたので、侍女じじょにいいつけて、王子の寝室しんしつにしのびこませました。
二日めのばんには、おひめさまは侍女じじょをやって、うまくきけるかどうか、とにかくやってみるようにいいつけました。
いっぽう、魔法使まほうつかいのまま母は、王さまがりにでかけて、るすなのを見すましますと、侍女じじょのすがたになって、お妃さまのねているへやにはいっていきました。
そして、おかみさんの両がわには、わかい侍女じじょがそれぞれ六人ずつ一れつにならんで立っていました。そのひとりひとりは、頭の高さだけじゅんじゅんにがひくくなっていました。