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下火
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したび
ふりがな文庫
“
下火
(
したび
)” の例文
さあっ、大変じゃっ、見たか、聞いたか、たった今出た
瓦版
(
かわらばん
)
じゃ、瓦版じゃ。大和五条の
天誅組
(
てんちゅうぐみ
)
が、
下火
(
したび
)
と見えたら又しても乱が興った。
脚
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
社長の
仏道発心
(
ぶつどうほっしん
)
は半年ばかり続いた。念仏は
稍〻
(
やや
)
下火
(
したび
)
になったけれど、数珠は絶対に離さない。この分では永久かと思われた。
人生正会員
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
害がやや
下火
(
したび
)
になるとほっとする傾きがあって、はたしてその結末までが、明らかになっているかどうかは心もとない。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「やあ、警部どの」と
頤髯
(
あごひげ
)
の
生
(
は
)
えた警官が青ざめた顔を近づけました。「やっと
下火
(
したび
)
になりました。その代り、小田原の町は御覧のとおり
滅茶滅茶
(
めちゃめちゃ
)
です」
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
石燈籠は柱を残したまま、おのずから
炎
(
ほのお
)
になって燃え上ってしまう。炎の
下火
(
したび
)
になった
後
(
のち
)
、そこに開き始める菊の花が一輪。菊の花は石燈籠の笠よりも大きい。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
コロリもおいおい
下火
(
したび
)
になったので、地蔵さまも踊らなくなったのだと云い触らす者もありましたが、ともかくも地蔵さまはもう踊らないという噂が立ったので
半七捕物帳:66 地蔵は踊る
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼
(
かれ
)
は
最初
(
さいしよ
)
に
博
(
はく
)
し
得
(
え
)
た
人気
(
にんき
)
が、その
頃
(
ころ
)
やゝ
下火
(
したび
)
になりかけてゐるのに
気
(
き
)
がついてゐた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
專門
(
せんもん
)
は
工科
(
こうくわ
)
の
器械學
(
きかいがく
)
だから、
企業熱
(
きげふねつ
)
の
下火
(
したび
)
になつた
今日
(
こんにち
)
と
雖
(
いへども
)
、
日本中
(
にほんぢゆう
)
に
澤山
(
たくさん
)
ある
會社
(
くわいしや
)
に、
相應
(
さうおう
)
の
口
(
くち
)
の
一
(
ひと
)
つや
二
(
ふた
)
つあるのは、
勿論
(
もちろん
)
であるが、
親讓
(
おやゆづ
)
りの
山氣
(
やまぎ
)
が
何處
(
どこ
)
かに
潛
(
ひそ
)
んでゐるものと
見
(
み
)
えて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其處
(
そこ
)
だけ、
火
(
ひ
)
が
消
(
き
)
えかゝり、
下火
(
したび
)
に
成
(
な
)
るのだらうと
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
秀吉がまだ子どもの頃だった天文年間には、もう
和寇
(
わこう
)
はだいぶ
下火
(
したび
)
になっていた。けれど昔を語る
潮焦
(
しおや
)
けのした老人は、まだたくさん田舎に生きていた。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「コロリもだんだん
下火
(
したび
)
になったのと、寺社の方から何だか
忌
(
いや
)
なことを云われそうにもなって来たので、ここらがもう見切り時だと諦めて、踊らせないことにしたのでしょう」
半七捕物帳:66 地蔵は踊る
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
しかしかれこれ
一月
(
ひとつき
)
ばかりすると、あいつの赤帽を怖がるのも、
大分
(
だいぶ
)
下火
(
したび
)
になって来た。
妙な話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
従軍の役目をすませて、わたしが東京へ帰って来た頃には、戦争劇はもう
下火
(
したび
)
になっていた。日清戦争当時の例によって、新派では東京から川上と藤沢とが戦地視察に行った。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「さすがに
暦
(
こよみ
)
は争われねえ。これでコロリも
下火
(
したび
)
になるだろう」
半七捕物帳:55 かむろ蛇
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“下火”の意味
《名詞》
禅宗で火葬する際、導師が棺を焼く薪に松明で火を付け、引導を渡す儀式。
(出典:Wiktionary)
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
火
常用漢字
小1
部首:⽕
4画
“下”で始まる語句
下
下手
下駄
下手人
下谷
下婢
下総
下司
下野
下僕