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一端
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いったん
ふりがな文庫
“
一端
(
いったん
)” の例文
ただ
其折
(
そのおり
)
弟橘姫様
(
おとたちばなひめさま
)
御自身
(
ごじしん
)
の
口
(
くち
)
づから
漏
(
もら
)
された
遠
(
とお
)
き
昔
(
むかし
)
の
思
(
おも
)
い
出
(
で
)
話
(
ばなし
)
——これはせめてその
一端
(
いったん
)
なりとここでお
伝
(
つた
)
えして
置
(
お
)
きたいと
存
(
ぞん
)
じます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
この遺憾を補う
一端
(
いったん
)
として、最近読んだ
書籍
(
ほん
)
の中から、西洋にもあり得た実例の一例として、その要領だけを引き抜いてみることにしよう。
不吉の音と学士会院の鐘
(新字新仮名)
/
岩村透
(著)
政府が国家的事業の
一端
(
いったん
)
として、保護奨励を文芸の上に与えんとするのは、文明の当局者として
固
(
もと
)
より当然の考えである。
文芸委員は何をするか
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一度は夫人があのフィルムの
一端
(
いったん
)
を奪ったのですが、それは焼いてしまいました。バッグの底にのこっているフィルムの焼け屑は、あれだったんです。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その
害
(
がい
)
の
一端
(
いったん
)
のみを見てただちにそのものの無用を
論
(
ろん
)
ずるのは、あまりにあさはかな
量見
(
りょうけん
)
であるかもしれない。
蛆の効用
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
「そうか。
不愍
(
ふびん
)
な生れつきの者どもではある。老幼のこらずこれへ集めて、この布
一端
(
いったん
)
ずつ
頒
(
わ
)
けてつかわせ」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一端
(
いったん
)
知ってみれば、すぐかれがわが
邦
(
くに
)
文芸道の第一人者ということが分ったね。実は驚いているところさ。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
芝生
(
しばふ
)
の
端
(
はし
)
が
垂
(
た
)
れ
下
(
さが
)
っている崖の上の広壮な
邸園
(
ていえん
)
の
一端
(
いったん
)
にロマネスクの半円
祠堂
(
しどう
)
があって、一本一本の円柱は六月の
陽
(
ひ
)
を受けて
鮮
(
あざや
)
かに紫
薔薇色
(
ばらいろ
)
の
陰
(
かげ
)
をくっきりつけ
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
気が附くと、人夫は屍体に、縄を掛けたらしく、その縄の
一端
(
いったん
)
を掴んで、屍体を引きずり上げている。啓吉はその屍体を一目見ると、悲痛な心持にならざるを得なかった。
死者を嗤う
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
己
(
おのれ
)
を以て人を推せば、先祖代々土の人たる農其人の土に対する感情も、其
一端
(
いったん
)
を
覗
(
うかが
)
うことが出来る。
斯
(
この
)
執着
(
しゅうちゃく
)
の意味を多少とも解し得る
鍵
(
かぎ
)
を得たのは、田舎住居の
御蔭
(
おかげ
)
である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
既に
去歳
(
きょさい
)
木下杢太郎
(
きのしたもくたろう
)
氏は『芸術』第二号において小林翁の風景版画に関する新研究の
一端
(
いったん
)
を漏らされたが、氏は進んで翁の経歴をたずねその芸術について更に詳細なる研究を試みられるとの事である。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
これは半面に自分の不得意な音曲でさえこのくらいに出来るという風に聞え彼女の驕慢な
一端
(
いったん
)
が
窺
(
うかが
)
われるがこの言葉なども多少検校の
修飾
(
しゅうしょく
)
が加わっていはしないか少くとも彼女が一時の感情に任せて発した言葉を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そして途端に持っていた
蝙蝠傘
(
こうもり
)
の
一端
(
いったん
)
を放した。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
あのときわしが、こういう苦労も長くはさせぬぞ——と、その方の家族たちを励まして帰った。今日の加増は余りにささやかだ、その折の家康が約束の
一端
(
いったん
)
と思うて、受けてくれよ。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
一端
(
いったん
)
につけたる小型のスポイトよりなるものにして、スポイトを指先で押すときは、家ダニ容器の
先端
(
せんたん
)
より、人知れず家ダニを発射し、相手にタカラしむることを得るものである。
発明小僧
(新字新仮名)
/
海野十三
、
佐野昌一
(著)
「もう済んだ。ああ好い心持だ」と圭さん、手拭の
一端
(
いったん
)
を放すや否や、ざぶんと
温泉
(
ゆ
)
の中へ、石のように大きな背中を落す。
満槽
(
まんそう
)
の湯は一度に
面喰
(
めんくら
)
って、槽の底から
大恐惶
(
だいきょうこう
)
を持ち上げる。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
尚
(
なお
)
もその先を
辿
(
たど
)
って見ると、その電線の
一端
(
いったん
)
は、電灯線の
所謂
(
いわゆる
)
第四種線に
絡
(
から
)
まって由蔵の屍骸の傍に終ってい、他の一端を探ってみると、
棟木
(
むねぎ
)
の上に、ベルに用いるようなマグネットがあって
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“一端”の意味
《名詞1》
一 端(いちはな)
一番初め。真っ先。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
“一端”で始まる語句
一端綱