“ナイフ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:ないふ
語句割合
小刀65.3%
肉刀10.7%
洋刀10.7%
2.7%
食刀2.7%
1.3%
剪刀1.3%
匕首1.3%
庖丁1.3%
接触刃1.3%
短剣1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……そこで宵のに死ぬつもりで、対手あいてたもとには、あきないものの、(何とか入らず)と、懐中には小刀ナイフさえ用意していたと言うのである。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
阿父おやぢの大事な桜の木をつて、嘘一つき得なかつたジヨオージ・ワシントンが先づそれで、食事をするにはいつも肉刀ナイフで済ましてゐた。
日常瑣末さまつの事件のうちに、よくこの特色を発揮する彼女の所作しょさを、津田は時々自分の眼先にちらつく洋刀ナイフの光のように眺める事があった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と言つて、その儘ナイフを取つて外皮かはをむき出した。
食刀ナイフくや否や、代助はすぐ紅茶々碗をつて書斎へ這入はいつた。時計を見るともう九時すぎであつた。しばらく、にはながめながら、茶をすゝばしてゐると、門野かどの
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
頬へ受けたナイフは、古くなると苦笑に見えるものだ。
しかしどうかするとむずかるらしく、剪刀ナイフを投げられたりするから、あれは直さなければと葉子は笑いながら庸三に話すのであった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しかも爪ほどのおおきさの恐るべき鋭利な匕首ナイフを仕懸けた、純金の指環を取って、これを滝太郎の手に置くと、かつて少年の喜ぶべき品、食物なり、何等のものを与えてもついぞ嬉しがったためしのない
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『さうか、だけど屹度きつとくづおなぐらゐはいつてたにちがひない』帽子屋ばうしや不平ふへいたら/″\で、『麺麭パン庖丁ナイフ其中そのなかんだナ』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
勿論、壁の開閉器函スイッチばこふたが明け放されていて、接触刃ナイフの柄がグタリと下を向いていた。検事は、その柄を握って電流を通じたが、足元に開いている排水孔を見やりながら、知見を述べた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
鋤を一、二度打ちこむと、大きなスペイン短剣ナイフの刀身がひっくり返って出た。それからさらに掘ると、ばらばらの金貨や銀貨が三、四枚あらわれた。
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)