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やすゐ
學生も
平日よりは
數が
不足であつた。
不審な
事には、
自分より
三四つ
日前に
歸つてゐるべき
筈の
安井の
顏さへ
何處にも
見えなかつた。
引き拔切合處に太田樣の方には中
小姓徒士などにも
手利の者之あり其上
陸尺の七右衞門は
力もありて
能働き候然るに嘉川樣の方には中
小姓孕石源兵衞
安井伊兵衞を
細君は
宗助を
見るや
否や、
例の
柔かい
舌で
慇懃な
挨拶を
述べた
後、
此方から
聞かうと
思つて
來た
安井の
消息を、
却つて
向ふから
尋ねた。
嘉川主税之助同人家來
安間平左衞門
切首多兵衞
僧願山嘉川家々來
孕石源兵衞
安井伊兵衞嘉川藤五郎
建部郷右衞門
伴佐十郎山口惣右衞門
陸尺七右衞門右の者一同
白洲へ
罷り出ければ
老中井上河内守殿
若年寄大久保長門守殿石川近江守殿
寺社奉行黒田豐前守殿大
目付有馬出羽守殿御目付松浦
與四郎殿を
予等は梅花の一瓣にも、
鶴を
想ひ、
初月を想ひ、
空山を想ひ、
野水を想ひ、
断角を想ひ、書燈を想ひ、
脩竹を想ひ、
清霜を想ひ、
羅浮を想ひ、
仙妃を想ひ、
林処士の風流を想はざる
能はず。