“やすい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヤスイ
語句割合
野水38.5%
安寝23.1%
下品7.7%
下料7.7%
安井7.7%
安価7.7%
安睡7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひとりは名古屋の俳諧師で野水やすいといい、ひとりは江戸の画家で文阿ぶんあという人で、文阿の方が二十日はつかほども先に来て、ひと月以上も逗留している。野水の方はおくれて来て、半月ばかりも逗留している。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
覚めて桶の中に坐りて背を日向ひなたらし、夕さりくれば又其桶の中にしとねもなく安寝やすいし、瞑想幽思めいさういうし、ひとり孤境の閑寂を楽んで何の求むる所なく、烟霞えんかをこそ喰はね
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
年は四十ばかりで、かろからぬ痘痕いもがあッて、口つき鼻つきは尋常であるが、左の眼蓋まぶた眼張めっぱのようなきずがあり、見たところの下品やすい小柄の男である。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
さればこゝにも天安てんやすが、家台見世から仕上たる、二階造の大道具、其小道具の器物迄、そつくり跡を引受けて、彼十二時の趣向に基き、下料やすいを名代看板に、再び見世をあけ六ツから、廓帰の御入来あらば
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
何ら親味な情からでもなく人間的な気持ちからでもなく、安井やすい——水夫見習い——は、その全半身にただ気やすめだけのイヒチオールを塗布された。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
「いやその安価やすいのが私ゃ気にわんのだが、先ず御互の議論が通ってあの予算で行くのだから、そうやすっぽいてすりの倒れるような険呑けんのんなものは出来上らんと思うがね」と言って気を
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
しばし安睡やすいの夢見むと
哀音 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)