“空山”の読み方と例文
読み方割合
くうざん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はるか木隠こがくれの音のみ聞えし流の水上みなかみは浅くあらはれて、驚破すはや、ここに空山くうざんいかづち白光はつこうを放ちてくづれ落ちたるかとすさまじかり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
寂寞じゃくまくたる空山くうざんの夕べを、ひとり山上に歩み行くのですから、何を歌おうと、あえて干渉する者はないのですが、習い性となって、ふと弁信からの横槍よこやりをおそれ
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
時計は十二時近くなったがめしを食わせる景色はさらにない。ようやく空腹を覚えて来たが、空山くうざん不見人ひとをみずと云う詩中にあると思うと、一とかたげぐらい倹約しても遺憾いかんはない。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)