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空山
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くうざん
ふりがな文庫
“
空山
(
くうざん
)” の例文
遙
(
はるか
)
に
木隠
(
こがくれ
)
の音のみ聞えし流の
水上
(
みなかみ
)
は浅く
露
(
あらは
)
れて、
驚破
(
すは
)
や、ここに
空山
(
くうざん
)
の
雷
(
いかづち
)
白光
(
はつこう
)
を放ちて
頽
(
くづ
)
れ落ちたるかと
凄
(
すさま
)
じかり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
寂寞
(
じゃくまく
)
たる
空山
(
くうざん
)
の夕べを、ひとり山上に歩み行くのですから、何を歌おうと、あえて干渉する者はないのですが、習い性となって、ふと弁信からの
横槍
(
よこやり
)
をおそれ
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
時計は十二時近くなったが
飯
(
めし
)
を食わせる景色はさらにない。ようやく空腹を覚えて来たが、
空山
(
くうざん
)
不見人
(
ひとをみず
)
と云う詩中にあると思うと、一とかたげぐらい倹約しても
遺憾
(
いかん
)
はない。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
予等は梅花の一瓣にも、
鶴
(
つる
)
を
想
(
おも
)
ひ、
初月
(
しよげつ
)
を想ひ、
空山
(
くうざん
)
を想ひ、
野水
(
やすゐ
)
を想ひ、
断角
(
だんかく
)
を想ひ、書燈を想ひ、
脩竹
(
しうちく
)
を想ひ、
清霜
(
せいさう
)
を想ひ、
羅浮
(
らふ
)
を想ひ、
仙妃
(
せんぴ
)
を想ひ、
林処士
(
りんしよし
)
の風流を想はざる
能
(
あた
)
はず。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
前後は杉の木立で、足下では沢の水が
淙々
(
そうそう
)
と鳴って、
空山
(
くうざん
)
の間に響きます。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
“空山”で始まる語句
空山一路