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みまひ
語句 | 割合 |
見舞 | 91.7% |
往診 | 4.2% |
診察 | 4.2% |
……「やあ」と
洋杖をついて
留まつて、
中折帽を
脱つた
人がある。すぐに
私と
口早に
震災の
見舞を
言交した。
花月の
平岡權八郎さんであつた。
ありましたれど
赤子に
着せる
物がないとか
聞きませば
平常の
心に
承知がならず
其の
夜通して
針仕事着るもの
二つ
遣はしましたと
得意顏の
物語り
徳は
陰なるこそよけれとか
聞しが
怪しのことよと
疑ふ
胸に
相談せばやの
心は
消えぬ
花子さま/″\の
患者の
話に
昨日往診し
同朋町とやら
若しやと
聞けばつゆ
違はぬ
樣子なりそれほどまでには
掛たら彼方はおどろき
急病人の
診察の
戻りと答へし
形容の
不審く殊に
衣類へ
生血のしたゝり懸つて有故其の血
汐は如何の
譯やと
再度問へば長庵愈々
驚怖周章嗚呼殺生はせぬ者なり
益なきことを