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ふくざつ
私は
嬉しいやら、
恋しいやら、
又不思議やら、
何が
何やらよくは
判らぬ
複雑な
感情でその
時初めて
自分の
魂の
親の
前に
自身を
投げ
出したのでした。
其
動機は、
単に哲学上の好奇心から
来た
事もあるし、又
世間の現象が、
余りに
複雑な
色彩を以て、
彼の
頭を染め
付けやうと
焦るから
来る事もあるし
左樣、それと
反對で、
社會教育丈あつて
學校教育のないものは、
隨分複雜な
性情を
發揮する
代りに、
頭は
何時迄も
小供ですからね。
却つて
始末が
惡いかも
知れない