“ぜんじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
漸次71.3%
禅師11.7%
前司11.7%
禪師2.1%
全治1.1%
善事1.1%
禅寺1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かくて日本には今「遊民」という不思議な階級が漸次ぜんじその数を増しつつある。今やどんな僻村へきそんへ行っても三人か五人の中学卒業者がいる。
「いや、こりゃまさに禅師ぜんじに一かつを食ったが、いくら江戸でも、左腕の辻斬りがそう何人もいて、みな気をそろえて辻斬りを働こうとも考えられぬ」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
すると、突然ある日、そのころ筑後ちくご前司ぜんじ小舎人ことねりになっていた弟が、盗人の疑いをかけられて、左のひとやへ入れられたという知らせが来た。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
禪師ぜんじられたるくび我手わがて張子はりこめんごとさゝげて、チヨンと、わけもなしにうなじのよきところせて、大手おほでひろげ、ぐる數十すうじふぞくうてすこやかなることわしごとし。ついきずえてせずとふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
富士司のやまいはと被仰おおせられし時、すでに快癒ののちなりしかば、すきと全治ぜんじ、ただいまでは人をもねませぬと申し上げし所、清八の利口をやにくませ給いけん、それは一段
三右衛門の罪 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
醤にうまくいいくるめられている王水険大先生は、最高の善事ぜんじをするつもりで、醤を引具ひきぐし、窓下に高梯子たかばしごをかけ、それをよじ登って、窓からそっと金博士の様子をうかがったのである。
長崎のひる大砲たいはう中町なかまち天主堂てんしゆだうの鐘ここの禅寺ぜんじの鐘
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)