“よごと”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヨゴト
語句割合
夜毎72.7%
寿詞11.4%
吉言4.5%
吉事2.3%
壽詞2.3%
善事2.3%
寿言2.3%
連夜2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
馬鹿になってしまったのではないかと疑われるくらい——正月でもあるせいもあろうが——夜毎よごとにぎやかな笑い声にちているのだった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
横山湖山もまた罪を獲てその藩主松平伊豆守信古のぶひさの居城なる三州吉田に送られた。当時の事状は明治十六年に湖山が七十歳になった時、その児内閣書記小野弘の撰した寿詞よごとの中にしるされている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
立ちかはる年の吉言よごとにみ仏の御名みなをとなへて祝ふ春かな
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
あらたしきとしはじめの初春はつはる今日けふゆきのいや吉事よごと 〔巻二十・四五一六〕 大伴家持
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「いや吉事よごと」は、益々吉事幸福が重なれよというので、名詞止めにしたのも、やはりおのずからなる声調であろうか。また、「吉事よごと」という語を使ったのも此歌のみのようである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
聖天子せいてんし、澄みに澄みとほる靈氣、聲ひとつせぬ五萬の呼吸、崇高すうかうなるこのひと時。靴音である。畏みに畏む總理大臣の靴音がする。奉る朗々たる壽詞よごと。湧きあがる湧きあがる 天皇陛下萬歳。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
壽詞よごと申せや。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
ここに答へてのりたまはく、「あれまづ問はえたれば、吾まづ名告りせむ。まが事も一言、善事よごとも一言、言離ことさかの神、葛城かづらき一言主ひとことぬしの大神なり」
この年詩壇の耆宿きしゅく菊池五山が八十歳の春を迎えたので、枕山を始めとして江戸の詩人はいずれも寿言よごとを賦してこれを賀している。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その咳嗽がいそうを聞いて連夜よごとねむらぬ父中将のわがまくらべに来るごとに、浪子はほのかにみて苦しき息を忍びつつ明らかにもの言えど、うとうととなりては絶えず武男の名をば呼びぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)