“きつじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
乞児40.0%
吉事40.0%
木辻20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「身、五民ノ外ニ処シテ、或ハニヨク、或ハせんニヨシ、上ハ王皇ニ陪シテ栄ト為サズ、下ハ乞児きつじニ伍シテ辱ト為サズ、優游シテ以テ歳ヲをはルベキモノ、唯我ガ技ヲしかリト為ス……エヘン」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
名家の屋形にはけちがついたのである。姫の怨念おんねんは八重垣落しの断崖のあたりをさまよっていて、屋形に凶事きょうじのある前には気味のわるい笑い声がしきりに聞え、吉事きつじにはさめざめとくけはいがする。
菖蒲小路から木辻きつじの暗い道を、かれは、てったほおと、袈裟御前の面ざしばかり意識しながら、ふらふら戻っていた。世にはあんな佳麗な女性もいたのかと消えない幻影を連れて歩いた。