寿詞よごと)” の例文
旧字:壽詞
二上の寿詞よごともある処だが……。いつひめもいや、人の妻と呼ばれるのもいや——で、尼になる気を起したのでないかと思ひ当ると、もう不安で不安でなう。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
横山湖山もまた罪を獲てその藩主松平伊豆守信古のぶひさの居城なる三州吉田に送られた。当時の事状は明治十六年に湖山が七十歳になった時、その児内閣書記小野弘の撰した寿詞よごとの中にしるされている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
おとどもが酒に吼ゆるを寿詞よごととも元日は聴け日もかたむきぬ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
呪言じゅごん片哥かたうた・叙事詩の三系統の神言が、専門家の口頭に伝承せられていたのが、国家以前からの状態である。其が各、寿詞よごと・歌垣の唱和かけあい・新叙事詩などを分化した。
歌の円寂する時 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
父母ちちはは寿詞よごとまうさくとしあした仰ぎまみえむ視力早や無し
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
寿詞よごと申せや。
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)