“じんしん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
壬申26.2%
人心21.4%
甚深16.7%
人身11.9%
仁心7.1%
塵心4.8%
壬辰4.8%
人臣2.4%
尽心2.4%
深心2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宝暦十二年壬申じんしん三月十一日越後国新潟に生れその地の儒医高田仁庵につきて詩書を学び、少壮江戸に出で亀田鵬斎かめだほうさいの門に入った。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ところが人心じんしんはその面のごとし、十人よれば十人ともその心が同一でない、同じ友だちのドノバンは、なにからなにまで、富士男に反対であった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
この方法こそ五じょくの悪世において、その場で成仏解脱げだつを遂げ得るところの甚深じんしん微尠びみょうの方法であると教えたのであります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
しからば帝食うただけの卵を出すべしとて、牛頭ごず人身じんしんの獄卒して、鉄床かなとこ上にしたる帝を鉄梁もておさえしむるに、両肩裂けて十余石ばかりの卵こぼれづ。
かゝるかたきが、植物界しょくぶつかいにも、人間界にんげんかいにも、つねぢんどって相鬪あひたゝかふ……仁心じんしん害心がいしんとが……しかうしてしいかたつときは、たちま毒蟲どくむし取附とりつかれて、その植物しょくぶつ枯果かれはつる。
塵心じんしん 消尽しょうじんして 些子さしも無し
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
明治二十五年壬辰じんしんの四月九日はどんないい星まわりの日であったか、わたくしは森羅しんら万象から美を見いだす能力を与えられ、また師友や家族のすべての愛情の中に生きることのできるのは
幸福のなかに (新字新仮名) / 佐藤春夫(著)
「大将閣下は弘化元年生れの八十二歳だったそうだから、お年に不足はない。くらい人臣じんしんを極めていられたし、子息も将官になっていられるし、思い残すことはなかったろう」
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
孟子もうし』の好処は尽心じんしんの章にある。「君子有三楽くんしさんらくあり而王天下しかもてんかにおうたるは不与存焉あずかりそんぜず父母倶存ふぼともにそんし兄弟無故けいていことなきは一楽也いちらくなり仰不愧於天あおぎててんにはじず俯不怍於人ふしてひとにはじざるは二楽也にらくなり得天下英才てんかのえいさいをえて而教育之これをきょういくするは三楽也さんらくなり
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
至誠心しじょうしんと申候。この心のまことにて。念仏すれば臨終に来迎らいごうすという事を。一心もうたがわぬ方を。深心じんしんとは申し候。このうえわが身もかのつちへむまれんとおもい。行業ぎょうごうをも往生のためとむくるを。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)