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くわいゐん
其の
席に
配つた、
座蒲團一つ
一つの
卓の
上に、
古色やゝ
蒼然たらむと
欲する
一錢銅貨がコツンと
一個。
座にひらきを
置いて、
又コツンと
一個、
會員の
數だけ
載せてある。
人類學會の
會員として、モールス
氏のお
墨附? を
持つて
居るのは
先づ
僕だけだらうと
考へて、これを
水谷氏に
話すと、
水谷氏は
變な
顏をして。
勿體ないが、
俗に
言ふ
上潮から
引上げたやうな
十錢紙幣が
蟇口に
濕々して、
金の
威光より、
黴の
臭を
放つた
折から、
當番の
幹事は
決して
剩錢を
持出さず、
會員は
各自九九九の
粒を
揃へて