こゝろざし)” の例文
そのうちで、よるひるもぶっとほしにいへそばはなれずに、どうにかして赫映姫かぐやひめつてこゝろざしせようとおも熱心家ねつしんか五人ごにんありました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
谷川たにがはからあがつてさしつたとき手足てあしかほひとぢやから、おらあ魂消たまげくらゐ、お前様まへさまそれでも感心かんしんこゝろざし堅固けんごぢやからたすかつたやうなものよ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
方なくそれはあきらめたが、そのころから割合わりあひに手先の器用きようわたしだつたので、「せう寫眞術しやしんじゆつ」の説明せつめいしたがつて、わたしはとう/\寫眞器しんき自作じさくこゝろざした。
林崎の両文庫にをさめて、学者としてのこゝろざしをも遂げたのだが、連年の飢饉、賤民の困窮を、目をふさいで見ずにはをられなかつた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
かねうけたまはる、かれちゝなる濱島武文氏はまじまたけぶみしと、春枝夫人はるえふじんとのこゝろざしかはつて、不肖ふせうながら日出雄少年ひでをせうねん教育きよういくにんをば、これからこの櫻木重雄さくらぎしげを引受ひきうけませう。』
彼等に忠誠のこゝろざしもあつたのであらうが、皇室を奉戴するのでなければ、群雄を駕御がぎよ出来ないことを知つてゐたのである。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
而して余が突嗟とつさ之を承諾したる当夜のこゝろざしならんや、だ「刑余の徒」たるの一事のみ、けいと余と運命をおなじふする所也
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
以上いじやう大島小學校おほしませうがくかう由來ゆらい御座ございます。けれどもはたして池上權藏いけがみごんざうこゝろざし學校がくかうてたばかりで、成就じやうじゆしましたらうか。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
私等の逃げて来たのは(かれ等は親の許さぬのに、青雲せいうんこゝろざしに堪へかねて脱走して来たのである)
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
議論ぎろん上下じやうげするも大きいが、おたがひはなし数年前すうねんまえよりは真面目まじめつた、さて話をして見ると、山田やまだは文章をつて立たうと精神せいしんわたし同断どうだんだ、わたしこのこゝろざしいだいたのは
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
朋輩ほうばいでもあり、競爭者でもあつた一色清五郎の忘れ形見、一時は酒と女に身を持ち崩しましたが、近頃はすつかりこゝろざしを改めて、藝道熱心に精進し、今度は愈々師匠藤左衞門の許を離れて
婦人をんなはかなしとおももひたえて、松野まつの忠節ちうせつこゝろより、われ大事だいじもふあまりに樣々さま/″\苦勞くらう心痛しんつう大方おほかたならぬこゝろざしるものから、それすらそらふくかぜきて、みゝにだにめんとせざりし
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こゝろざしは行ふものとや、おろかしき君よ、そはうゑはしるに過ぎず。志はたゞ卓をたゝいて、なるべく高声かうせいに語るにとゞむべし。生半なまなかなる志を存せんは、存せざるに如かず、志は飯を食はす事なければなり。
青眼白頭 (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
だから己の希望して居た実業家と云うのは、全くお伽噺とぎばなしうちに出て来る仕合せなプリンスに過ぎなかった。恐らくこんな馬鹿々々しい夢を抱いて、実業にこゝろざした者は己より外に一人もないだろう。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
実は殿様が日頃おめなさる此方こちらの孝助殿、あれは忠義な者で、以前はしかるべき侍のたねでござろう、今は零落おちぶれて草履取をしていても、こゝろざしは親孝行のものだ、可愛かわいいものだと殿様がお誉めなされ
兄の蘿月らげつに依頼しては見たものゝ矢張やつぱり安心が出来できない。なにも昔の道楽者だうらくものだからとわけではない。長吉ちやうきちこゝろざしを立てさせるのは到底たうてい人間業にんげんわざではおよばぬ事、神仏かみほとけの力に頼らねばならぬと思ひ出した。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
家督かとくせんと其の事上向かみむきへ願ふ存念ぞんねんならん然樣さやうの儀ならばなんぞやかくせず共致し方如何程も有べきに忠義のこゝろざしは却つて主家のがいとならんしかしながら屆けの趣き聞置なり呉々くれ/″\も右の者ども行方ゆくへは早々吟味致し若し市中しちうゐる
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
二十年來のこゝろざしも皆空事そらごととなりにける。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
おもせまこゝろざしかくたり。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
わたしおもひどほりのふかこゝろざしせたかたでなくては、をつとさだめることは出來できません。それはたいしてむづかしいことでもありません。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
「いや/\、それはそれ、これはこれ、たゞ些少ほんこゝろざしですから。……さあ/\わかしうかるをさめて。」
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
日出雄少年ひでをせうねんをば眞個しんこ海軍々人かいぐんぐんじんゆだねんとせしかれちゝこゝろざしが、いま意外いぐわい塲所ばしよで、意外いぐわいひとよつたつせらるゝこのうれしき運命うんめいに、おもはず感謝かんしやなみだ兩眼りようがんあふれた。
つまりこゝろざしを同じくする雄藩が、今までの種々の行きがかりを水に流して、この際大同団結し、同盟を結ぶことである。もつと簡単に云ふならば、薩藩と長藩の同盟である。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
「ま、お玉の身寄の方ださうで、飛んだ氣の毒なことをしました。いづれ使の者を差し遣はす筈でしたがついでと言つては何んだけれど、少しばかりのこゝろざし、——これを納めては下さるまいか」
そこで、金港堂きんこうどうはじめ年少詩人ねんせうしじん俊才しゆんさいつて、おももちゐやうとこゝろざしおこしたものと考へられる、この金港堂きんこうどう編輯へんしうには中根淑氏なかねしゆくしたので、すなはこの人が山田やまだ詞才しさいつたのです
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
しか伸一先生しんいちせんせい老先生らうせんせいうるはしき性情せいじやうけてさらにこれをあたらしくみがげた人物じんぶつとして此小學校このせうがくかう監督かんとく我々われ/\第二だいに權藏ごんざうとなつて教導けうだうされたのです。權藏ごんざうこゝろざしもつと完全くわんぜん成就じやうじゆされました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「失礼ですけれども、これを和尚さんにさし上げたいと思ひまして……。私が心がけて、この間から洗つたり縫つたりしたものです。何うか、私のいさゝかばかりのこゝろざしだけを納めて下さいませ。」
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
そも松澤まつざは新田につたらが祖先そせんきこえしは神風かみかぜ伊勢いせひとにてつと大江戸おほえどこゝろざし
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
断って置くが、己が最初に実業家たらんとこゝろざしたのは、もと/\自らり好んだ訳ではないのである。自分が将来、従事し得る多くの職業のうちから、特に実業家を選択したのではなかったのである。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
丈夫ぢやうふ四方しはうのこゝろざし唐人からびとの言ひけん、こは恐らくは八方の誤りなるべし。
青眼白頭 (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
ずゐ文帝ぶんてい宮中きうちうには、桃花たうくわよそほひあり。おもむき相似あひにたるものなりみないろてらちようりて、きみこゝろかたむけんとする所以ゆゑんあへ歎美たんびすべきにあらずといへども、しかれどもこゝろざし可憐也かれんなり
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのこゝろざしは有難いが、お秋を人身御供ごくうに上げて、私は出世をする氣はありません。
まつた水泡すいほうしたとおもはれたので、いまは、その愛兒あいじをばくにさゝぐること出來できかはりに、せめては一艘いつそう軍艦ぐんかん獻納けんなうして、くにつく日頃ひごろこゝろざしげんものと、その財産ざいさん一半いつぱんき、三年さんねん日月じつげつ
これつい不便ふべんな事は、其昔そのむかし朝夕あさいふ往来わうらいして文章を見せ合つた仲間の大半は、はじめから文章をもつて身をたてこゝろざしの人でなかつたから、今日こんにちでは実業家じつげふかつてるのも有れば工学家こうがくかつてるのも有る
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
勤皇のこゝろざしを起すものが、相続いた。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
こひか、三十日みそかかにせたのは、また白銅はくどうあはせて、銀貨入ぎんくわいれ八十五錢はちじふごせんふのもある……うれしい。ほんこゝろざしと、藤間ふぢま名取なとりで、嬌態しなをして、水上みなかみさんのたもとれるのがある。……うまい。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しめきん七十圓なゝじふゑん——もしそれわたしをして幹事かんじたらしめば、たちまちにおぼん軍用ぐんようてようものを、軍規ぐんき些少いさゝかてきにかすめざる瀧君たきくんなれば、こゝろざしはうけた——あるひ新築しんちくいはひあるひをどり一手ひとて祝儀しうぎ
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さしては折角せつかくこゝろざしにしてなんぢ忠心まごころあらはれず、第一だいいちがたしなみにならぬなり。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
りとはいへども、そのこゝろざし、むしろにあらずくべからず、いしにあらず、ころばすべからず。……ありがたい。いや、禁句きんくだ。こんなところいしころんでたまるものか。たとへにもやまくづるゝとかふ。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いゝえこゝろざしです……病人びやうにんゆめてくれますでせう。……もし、恐入おそれいりますが、」
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)