“市中”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しちゅう25.0%
まちなか20.8%
しちう14.6%
しちゆう12.5%
いちなか12.5%
まち6.3%
まちじゅう4.2%
まちぢう2.1%
まちぢゅう2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
春章(しゅんしょう)写楽(しゃらく)豊国(とよくに)は江戸盛時の演劇を眼前に髣髴(ほうふつ)たらしめ、歌麿(うたまろ)栄之(えいし)は不夜城の歓楽に人を誘(いざな)ひ、北斎(ほくさい)広重(ひろしげ)は閑雅なる市中(しちゅう)の風景に遊ばしむ。
浮世絵の鑑賞 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
一頃(ひところ)ならば市中(まちなか)の塔や空寺(あきでら)でも堂々と住んでいられたものが、次第に洛外に追われて、その洛外にも安心しては棲(す)めなかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さて世(よ)が變(かは)つた樣(やう)に晴(は)れ上(あが)つて、晝(ひる)になると、寒(さむ)さが身(み)に沁(し)みて、市中(しちう)五萬軒(ごまんげん)、後馳(おくれば)せの分(ぶん)も、やゝ冬構(ふゆがま)へなし果(は)つる。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
農家(のうか)市中(しちゆう)正月の行事(ぎやうじ)に鳥追(とりおひ)といふ事あり。此事諸国にもあれば、其なす処其国によりてさま/″\なる事は諸書(しよ/\)に散見(さんけん)せり。
とにかく山の手は御存じの如く都の中にても桃隣(とうりん)が「市中(いちなか)や木の葉も落す富士颪(おろし)」の一句あり冬の西風と秋の西日禁物(きんもつ)に有之候。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この節のお江戸の市中(まち)は毎日毎日斬捨(きりすて)ばかりで格別珍らしい事ではないと申しますのに、只今のお話だけが馬場先の返討(かえりうち)と申しまして、江戸市中の大層な評判……
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「左様なものではございませぬ。奥方さまのお慈愛から、市中(まちじゅう)の捨児や親のない孤児(みなしご)を拾うて、養ってやるお長屋でござります」
昔オリンピアの選手達が、この市を通過する時には市中(まちぢう)の人々は悉くこの噴水の傍らに集つたといふことだつた。
山彦の街 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
……ま、ともかくも若(わか)に逢(あ)はうわ、さうぢゃ、はて、速(はや)う往(い)て彼(か)の人(ひと)を伴(つ)れて來(こ)いといふに。……さてはや、實(じつ)に高徳(かうとく)のあの上人(しゃうにん)、此(この)市中(まちぢゅう)の者(もの)で、誰(た)れ一人(ひとり)、彼(か)の人(ひと)の庇(かげ)を蒙(かうむ)らぬものはないわい。