“髣髴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほうふつ79.3%
はうふつ14.5%
さもに2.8%
ほのか1.1%
よくに0.6%
そつくり0.6%
ほのめ0.6%
オモワ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
学者である以上、その態度は誠に立派なもので、ことごとく書を信ぜば書無きにかずといった孟子の雄々おおしさを髣髴ほうふつさせるのであります。
新案探偵法 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
髣髴はうふつたる海天に青螺せいらのごとく浮いてゐる美しい島島の散在を望んでも、も早詩が胸から無くなつた。人間墳墓の地を忘れてはならない!
故郷に帰りゆくこころ (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
しゃつ伏勢ござんなれ」ト、身構へしつつきっと見れば、いとおおいなる黒猿の、おもて蘇枋すおう髣髴さもにたるが、酒に酔ひたる人間ひとの如く、倰僜よろめきよろめき彼方かなたに行きて、太き松の幹にすがりつ
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
かれ神倭伊波禮毘古の命、其地そこより𢌞り幸でまして、熊野くまのの村に到りましし時に、大きなる熊髣髴ほのかに出で入りてすなはち失せぬ。
乘行のせゆき丑刻過やつどきすぎに歸り候處町内の天水桶にて刄物はものあらふ者あり其形容そのかたち勘太郎に髣髴よくにたりとは存じながら私しども見屆けるにも及ばざる事ゆゑ路次を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ときに、そばつた家内かない姿すがたが、それ髣髴そつくりだ、とおもふと、想像さうざうとほむかしかへつて、不思議ふしぎなもので、そでならべたおうら姿すがたが、づゝとはなれてはるかなむかふへ……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と彼は微笑して言った、その眼元めもとには心の底にひそんで居る彼のやさしい、正直な人柄の光さえ髣髴ほのめいて、自分には更にそれいたましげに見えた、其処そこで自分もわらいを含み
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
たゞにしづけく 髣髴オモワ立ち来も
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)