“そつくり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ソツクリ
語句割合
其儘11.1%
彷彿11.1%
全然11.1%
反繰11.1%
宛然11.1%
正寫11.1%
肖如11.1%
酷似11.1%
髣髴11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そりやさうとおつかさまに其儘そつくりだなあ」とそばたおつぎにうつした。おつぎはそれをくとともけるやう手桶てをけつてにはた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「そりやそんなことしないで發見みつけたものなら其儘そつくりかへすのが本當ほんたうだよ」内儀かみさんはこゑひくかつたがきつぱりいつた。勘次かんじまどうたこゝろそこにはそれがびりゝとつよひゞいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
蓮華寺へ行つたお志保——彼娘あのこがまた母親にく似て居て、眼付なぞはもう彷彿そつくりさ。彼娘の顔を見ると、直にせんの家内が我輩の眼に映る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『眼付なぞはもう彷彿そつくりさ』と敬之進も言つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
たいした事は無いがこの家は全然そつくりお前に譲るのだ、お前は矢張やはり私の家督よ、なう。で、洋行も為せやうと思ふのだ。必ず悪く取つては困るよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
男は何か言はうとして、僅に手先を動かしたが『阿呍うん』と一唸呻うめき、言下に反繰そつくり返つて仰樣のけざまたふれた。
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
しろこずゑあをは、また中空なかぞらうづうつす——とぐろをき、れて、海原うなばらのそれとおなじです。いや、それよりも、たうげ屋根やねちかかつた、あの可恐おそろしくもみね宛然そつくりであります。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
たヾ一人ひとりありしいもとれと非常ひじやうなかよかりしが、いませてなにもなき、そのいもと姉樣ねえさま正寫そつくりにて、いま在世あらばとこひしさへがたく、お前樣まへさま姉樣ねえさまなればれにはいもとやうおもはれて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
葡萄色ぶだういろあゐがかつて、づる/\とつるつて、はす肖如そつくりで、古沼ふるぬまけもしさうなおほき蓴菜じゆんさいかたちである。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まがかたなく其處そこには、普通あたりまへはなよりも獅子しゝぱな酷似そつくりの、ひどくそッくりかへつたはながありました、また其眼そのめ赤子あかごにしては非常ひじようちひさすぎました、まつたあいちやんは
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
ときに、そばつた家内かない姿すがたが、それ髣髴そつくりだ、とおもふと、想像さうざうとほむかしかへつて、不思議ふしぎなもので、そでならべたおうら姿すがたが、づゝとはなれてはるかなむかふへ……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)