“さつぱり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
薩張39.5%
瀟洒15.8%
淡泊5.3%
淡白5.3%
爽々5.3%
爽快5.3%
全然2.6%
判然2.6%
夾快2.6%
快活2.6%
斷念2.6%
斷然2.6%
洒然2.6%
淡然2.6%
清楚2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ろよ、近頃ちかごろ薩張さつぱりてくんねえが、れことにでもつたんぢやねえかなんてつから」とみせ女房にようばう戯談ぜうだんまじへた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
本願寺も在所の者の望みどほりに承諾した。で代々だい/″\清僧せいそうが住職に成つて、丁度禅寺ぜんでらなにかのやう瀟洒さつぱりした大寺たいじで、加之おまけに檀家の無いのが諷経ふぎんや葬式のわづらひが無くて気らくであつた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
サア淡泊さつぱりと男らしく渡して仕舞へと云れて又も殘りの金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかしこんな稼業のものにはめづらしい正直な淡白さつぱりした江戸兒風の男で、御用をかさに着て弱い者をいぢめるなどといふ惡い噂はかつて聞えたことがなかつた。彼は誰に對しても親切な男であつた。
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
顔を洗つて来た信吾は、気も爽々さつぱりしたやうで、ニヤ/\笑ひながら座についた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
かうやつてかうすると言ひながら急遽あわただしう七分三分に尻端折しりはしをりて、そんなゆわひつけなんぞよりこれが爽快さつぱりだと下駄を脱ぐに、お前跣足はだしに成るのかそれでは気の毒だと信如困り切るに、好いよ
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
就いてはこれといふ証拠が無くちや口が出ませんから、何とか其処そこを突止めたいのだけれど、私のからだぢや戸外おもての様子が全然さつぱり解らないのですものね
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
貫一さんや、わしだ。とうにも訪ねたいのであつたが、何にしろ居所が全然さつぱり知れんので。一昨日おとつひふと聞出したから不取敢とりあへずかうして出向いたのだが、病気はどうかのう。何か、大怪我おほけがださうではないか
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
委細ゐさいに聞て其場へ立出樣々さま/″\いさかせし末畢竟ひつきやう花街くるわの小夜衣とか云娼妓おいらんも長庵とは伯父をぢめひとかの中成なれば一ツあなむじなならん然すれば勿々油斷ゆだんなら旁々かた/″\以て小夜衣が事は判然さつぱり思ひきり再度ふたゝびくるわゆかれぬ樣此久八が願ひなりとなほ眞實しんじつ委曲こま/″\との意見いけん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なにれはれたものだ、うやつてうするとひながら急遽あわたゞしう七尻端しりはしをりて、其樣そんゆわひつけなんぞよりれが夾快さつぱりだと下駄げたぐに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
源太は尚も考にひとり沈みて日頃の快活さつぱりとした調子に似もやらず、碌〻お吉に口さへきかで思案に思案を凝らせしが、あゝ解つたと独り言するかと思へば、愍然ふびんなと溜息つき
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
形見かたみおもへば不憫ふびんかぎりのなきに、其方そちこヽろ一つにてれも安堵あんどひめきずもつかず、此處こヽをよく了簡れうけんなし斷念さつぱり退のいれかし、さりながら此後こののちありつきにと包物つヽみものたまはりて、はねど手切てきれの
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なれどもおいやならばおいやにて、むしろ斷然さつぱり目通めどほりもいややなれば此處こヽねかし、とでも發言ありて、いよ/\るまじきことらば其上そのうへ覺悟かくごもあり、くまでのおもなんとしてもゆるはずなけれど
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたしもどりましたからは御心配ごしんぱいなくお就蓐やすみくだされと洒然さつぱりといひてとなりつまかへしやり、一人ひとりさびしく洋燈らんぷあかりに烟草たばこひて、忌々いま/\しき土産みやげをりねづみべよとこぐなはのまゝ勝手元かつてもと投出なげいだ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
悪い請求たのみをさへすらりと聴て呉れし上、胸に蟠屈わだかまりなく淡然さつぱり平日つねのごとく仕做しなされては、清吉却つて心羞うらはづかしく、どうやら魂魄たましひの底の方がむづ痒いやうに覚えられ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
一通ひとゝほりの挨拶あいさつをはつてのち夫人ふじん愛兒あいじさしまねくと、まねかれてをくするいろもなくわたくし膝許ひざもとちかすゝつた少年せうねん年齡としは八さい日出雄ひでをよし清楚さつぱりとした水兵すいへいふう洋服ようふく姿すがたで、かみ房々ふさ/″\とした